
ホテル業界への就職・転職を考えたとき、多くの方が一度は悩むのが「日系ホテルと外資系ホテル、どちらが自分に合っているのか?」という点ではないでしょうか。
同じ“ホテル”であっても、企業の成り立ちや運営スタイル、サービスの考え方、働き方やキャリアの描き方には大きな違いがあります。
本記事では、まず第一弾として「日系ホテルと日本外資系ホテルの企業概要や特徴」にフォーカスし、それぞれの成り立ちや運営形態、代表的な企業・ホテルブランドを分かりやすく解説します。
これからホテル業界で長く働きたい方、転職先選びで後悔したくない方は、ぜひ自分に合った環境を見極める参考にしてください。
日系ホテルとは、日本の企業が所有・経営・運営を行うホテルで、日本人に合わせたサービスの提供や日本のおもてなしを重視したホテルです。
②株式会社ホテルオークラ
③株式会社ニュー・オータニ
④株式会社パレスホテル
⑤株式会社TRUNK
⑥株式会社 ザ・キャピトルホテル 東急
⑦株式会社京王プラザホテル
⑧株式会社三井不動産ホテルマネジメント
⑨住友不動産株式会社
⑩株式会社西武・プリンスホテルズワールドワイド
チェーン展開している日系ホテル
日系ホテルの中でも、全国規模でチェーン展開している企業は、母体となる業種や事業背景によって特徴が大きく異なります。
どの系列に属するかによって、ホテルの立地戦略やサービスの方向性、働き方やキャリアパスにも違いが生まれます。
特に転職を考える際には、「安定性を重視したい」「専門性を高めたい」「将来はマネジメントに挑戦したい」など、自分の志向と企業の系列が合っているかを知ることが重要です。
ここでは、チェーン展開している日系ホテルを不動産系・鉄道会社系・専門系(シティ/リゾート・ビジネス)に分け、それぞれの代表的な企業やブランドを紹介していきます。
企業選びの比較材料として、ぜひ参考にしてください。
①不動産系
・ダイワロイネットホテルズ株式会社
国内ホテル数:76
ホテルブランド:
ダイワロイヤルホテル・DEL style 等
・東急リゾーツ&ステイ株式会社
国内ホテル数 :59
ホテルブランド:
東急ステイ・東急ハーヴェストクラブ等
・森トラスト株式会社
国内ホテル数 :32
ホテルブランド:
マリオット・東京エディション虎ノ門等
・株式会社三井不動産ホテルマネジメント
国内ホテル数 :41
ホテルブランド:
三井ガーデンホテル・ザ セレスティン 等
・住友不動産ヴィラフォンテーヌ株式会社
国内ホテル数 :21
ホテルブランド :
ヴィラフォンテーヌ・ヴィラージュ 等
②鉄道会社系
・株式会社相鉄ホテルマネジメント
国内ホテル数 :80
ホテルブランド:
相鉄フレッサイン・ホテルサンルート 等
・株式会社東急ホテルズ
国内ホテル数 :68
ホテルブランド:東急ホテル・エクセル東急 等
・西武プリンスホテルズワールドワイド
国内ホテル数 :58
ホテルブランド:プリンスホテル 等
・日本ホテル株式会社
国内ホテル数 :41
ホテルブランド:東京ステーションホテル・メトロポリタン・メッツ 等
・株式会社京王プラザホテル
国内ホテル数 :3
ホテルブランド:京王プラザホテル
③専門系(シティ・リゾート)
・株式会社帝国ホテル
国内ホテル数 :4
ホテルブランド:帝国ホテル
・株式会社ホテルオークラ
国内ホテル数 :54
海外ホテル数 :27
ホテルブランド :オークラ東京 等
・株式会社ニュー・オータニ
国内ホテル数 :54
海外ホテル数 :27
ホテルブランド:オークラ東京 等
・藤田観光株式会社
国内ホテル数 :65
海外ホテル数 :3
ホテルブランド:椿山荘東京・小涌園 等
・星野リゾート株式会社
国内ホテル数 :54
海外ホテル数 :4
ホテルブランド:星のや・リゾナーレ 等
・リゾートトラスト株式会社
国内ホテル数 :41
海外ホテル数 :1
ホテルブランド:
ベイコートクラブ・XIV(エキシブ)等
④専門系(ビジネス)
・アパホテル株式会社
国内ホテル数 :655
海外ホテル数 :41
ホテルブランド:アパホテル 等
・ルートインジャパン株式会社
国内ホテル数 :341
海外ホテル数 :3
ホテルブランド :ホテルルートイン 等
・東横イン株式会社
国内ホテル数 :319
海外ホテル数 :17
ホテルブランド:東横INN 等
・株式会社スーパーホテル
国内ホテル数 :171
海外ホテル数 :1
ホテルブランド:スーパーホテル 等
・株式会社アルファ-ワン
国内ホテル数 :48
ホテルブランド:アルファ-ワン 等
日本のホテルの種類
現在の日本には様々なホテルがありますが、立地やコンセプト・サービス・価格帯・ターゲット層などによって特徴は様々です。
主に「シティ・ビジネス・リゾート」の3つに分類されますが、現在は宿泊業態が多様化していますので、その他の種類もご紹介します。
①シティホテル
主に都市部に立地し、宿泊をはじめ、レストラン利用や宴会、結婚式など幅広い目的で利用されるホテルです。
高級感のある外観や洗練された内装、きめ細やかな接客サービスが特徴で、ビジネス利用から記念日、観光まで多様なニーズに対応しています。
また、大規模なシティホテルでは、フィットネスジムやスパ、エステ、ラウンジなどの付帯施設を備えていることも多く、宿泊以外の目的でも快適に過ごせる環境が整っています。
質の高いサービスと利便性を兼ね備えたホテルとして、多くの利用者に選ばれています。
②ビジネスホテル
駅近や主要道路沿いなど交通アクセスの良い場所に立地し、主に宿泊機能に特化したホテルです。
出張や短期滞在のビジネスマンを中心に、多くの利用者に選ばれています。
客室はシングルルームが中心で、必要最低限の設備を備えたコンパクトな造りが特徴です。
また、無料Wi-Fiやデスク、ランドリーサービス、簡易的な朝食提供など、仕事の合間でも快適に過ごせる工夫が各ホテルで取り入れられています。
シティホテルと比べると、アメニティやサービスは必要最小限に抑えられていますが、その分宿泊料金はリーズナブルで、コストパフォーマンスの高さが魅力となっています。
③リゾートホテル
リゾートホテルは、観光地や海・山などのリゾート地に立地し、休暇をゆったり過ごすことを目的としたホテルです。
館内にはレストランやバーラウンジのほか、温泉、プール、スパ、アクティビティ施設などが充実しており、滞在そのものを楽しめる環境が整っています。
客室から美しい景色を望めることも多く、非日常感や高級感を味わえる点が魅力。
宿泊料金は比較的高めですが、特別な時間を過ごしたい旅行者や記念日利用などで選ばれています。
④複合型ホテル
テーマパークやショッピングモール、駅ビル、オフィスビルなど、他の施設と併設・一体開発されているホテルです。
宿泊だけでなく、買い物や観光、ビジネスなど複数の目的を同時に満たせる利便性の高さが特徴。
立地条件に優れているケースが多く、観光客からビジネス利用まで幅広い層に利用されています。
集客力の高い施設と連携するため、安定した稼働が見込める点も特徴です。
⑤コミュニティホテル
大都市圏の近郊や地方都市に立地する中規模のホテルで、地域に根ざした運営を行っている点が特徴です。
宿泊機能に加え、会議室や宴会場、結婚式場などを備えており、地域住民の集まりや企業利用、記念行事など幅広い用途で利用されています。
観光客だけでなく地元のお客様との接点が多く、地域に貢献する役割も担っています。地元密着型の接客を学びたい方に向いています。
⑥アーバンリゾートホテル
都心に立地しながらも、海や緑、開放的な空間を取り入れ、リゾート気分を味わえるホテル。
都市の利便性とリゾートの非日常感を両立している点が特徴で、観光客だけでなく、週末のリフレッシュや記念日利用にも選ばれています。
館内にはレストランやスパ、プールなどを備えていることも多く、短期間でも特別な滞在を楽しめるホテルとして人気があります。
⑦エアポートホテル
空港構内や空港周辺に立地するホテルで、早朝・深夜便を利用する旅行者や出張客に多く利用されています。
フライト前後の短時間滞在を想定しているため、チェックイン・チェックアウトがスムーズで、利便性を重視したサービスが特徴。
国内外の利用客が多く、多言語対応が求められるケースもあります。
移動の合間に快適に過ごせる拠点として、安定した需要があります。
⑧会員制リゾートホテル
会員制リゾートホテルは、リゾートクラブの会員権を購入することで利用できるホテル。
会員は全国各地にある提携施設の中から、用途や好みに合わせて滞在先を選ぶことができます。
一般客の利用が少ないため、落ち着いた環境で質の高いサービスが提供される点が特徴です。
長期滞在やリピーター利用が多く、一人ひとりのお客様と深く関わる接客が求められるホテル形態となっています。
日本外資系ホテルとは、一般的に外国企業が出資・運営に関わっているホテルのことを指します。
多くの企業は本社を海外に構えており、日本へ進出できるほど資本力が安定しているため、世界的に知名度の高いホテルチェーンが数多く存在します。
また、外資系ホテルでは、所有・運営・経営を分けているケースが多く、土地や建物を運営会社に貸し出すリース方式や、運営を日本の企業に委託する運営委託方式を採用しているのも特徴です。
日本国内でも多数のホテルを展開している、いわゆる世界4大ホテルチェーンは、次の4つが挙げられます。
①マリオットインターナショナル
②ヒルトンワールドワイドホールディングス
③アコーグループ
④インターコンチネンタルホテルズグループ(IHG)
現在の日本では、日系ホテルの方が多いですが、1泊5万円前後の宿泊料がかかる外資系ラグジュアリーホテルが、日本全国で続々と誕生しています。
コロナ禍の水際対策が緩和されて以降、訪日外国人が急激に増え、インバウンド需要の見込みと日本人の富裕層も増加傾向などの理由から、都内・地方では高級ホテルが続々と開業しています。
国際的な知名度や有名な最高級ホテルがあれば、外国人観光客も安心して訪日できますよね。
外資系ホテルというと、高級感ホテルを思い浮かべる方もいるかもしれませんが、日本国内ではシティホテルやリゾートホテル、ビジネスホテル型のホテルも運営されています。
そのため、今後益々「外資系VS日系」は加速していくと思われます。
ただし、外資系ホテルは開業や売上を伸ばしている一方で、人材の確保に苦労している面もあるようです。
②ヒルトン東京
③パークハイアット東京
④マンダリン・オリエンタルホテル東京
⑤ザ・ペニンシュラ東京
⑥ウェスティンホテル東京
⑦ブルガリホテル東京
⑧東京エディション銀座
⑨アマン東京
⑩ジャヌ東京
まとめ
日系ホテルと日本外資系ホテルは、同じホテル業界でありながら、企業の成り立ちや運営形態、サービスの考え方に大きな違いがあります。
日系ホテルは日本企業が所有・運営を行い、日本人の価値観や文化に根ざした「おもてなし」を重視している点が特徴。
一方で外資系ホテルは、海外に本社を持つグローバルチェーンが多く、ブランド力や国際的な基準に基づいた運営が行われています。
また、日系ホテルは所有直営方式が多いのに対し、外資系ホテルは運営委託やリース方式など、所有と運営を分けるケースが一般的。
日本国内では日系ホテルの施設数が多いものの、近年はインバウンド需要の拡大により外資系ラグジュアリーホテルの開業が相次いでいます。
どちらのホテルであっても求められるのは高いホスピタリティ精神ですが、働き方やキャリア形成、評価制度には違いがあります。
転職を考える際は、それぞれの特徴を理解したうえで、自分がどのような環境で成長したいのかを明確にすることが重要です。
日系ホテルと日本外資系ホテルの違い②では、具体的な違いをご紹介していきますので、是非参考にしてみて下さいね。
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2025.12.16

