
ホテル業界への転職を考える上で、各部門がどのように売上を支えているのかを理解しておく事は非常に重要です。
ホテルの仕事は「接客が好き」「華やかなイメージがある」といった印象が大きいですが、実際の現場では、宿泊・料飲・宴会といった複数の部門が連携しながら経営を支えています。
特にシティホテルでは、これらの部門がバランスよく売上を構成しており、ホテルの規模や強みによって比重も大きく異なります。
どの部門で働くかによって、求められるスキルやキャリアパス、やりがいも変わってくるでしょう。
本記事では、ホテルの売上構成や各部門の役割、なかでも収益性の高い宴会部門の内訳について詳しく解説します。
これからホテル業界への転職を目指す方が、自分に合った部門や働き方を考えるための参考になれば幸いです。
ホテルの売上構成
ホテルの売上は、複数の部門がそれぞれの役割を担いながら成り立っています。
どの部門がどれくらいの売上を生み出しているのかを知ることで、ホテル経営の仕組みや、自分が携わる仕事がどのようにホテル全体に貢献しているのかを理解しやすくなります。
ここでは、一般的なシティホテルを例に、ホテルの売上構成と内訳について解説していきます。
ホテルの4つの売上構成
前述したように、一般的なシティホテルの場合は、「宿泊・料飲・宴会・その他」の部門で成り立っており、おおよそ「3:3:3:1」の割合となっています。
シティホテルとは、ファミリー・カップル・一人での利用など、幅広い客層に対応しているホテルです。
日本の都市部に位置する事が多く、格安ホテルから高級ホテルまで料金は様々。
飲食店や宴会場の他、ラウンジやジム、大浴場などが併設されているホテルもあります。
・料飲部門:約30%
・宴会部門:約30%
・その他 :約10%
宿泊メインのビジネスホテルであれば、宿泊の部門の割合の収益が多くなりますし、宴会場の種類や数が多く結婚式に力を入れているホテルは宴会部門の収益が高くなります。
日本では婚礼をホテルで行う事が多いため、宴会部門での収益が高めですが、欧米では基本的に宿泊部門の収益が8割をしめており、残りの2割が料飲・宴会部門となっている事が多いです。
例えば、日本を代表するホテルである「帝国ホテル」では、国際会議や大規模なパーティー、著名人の結婚式なども行われるため、宴会部門の比率が高くなっています。
特に、披露宴は年間700件以上行われているため、ウエディングも宴会部門の売上の大きな支えとなっています。
<日本の代表的なシティホテル>
・帝国ホテル
・ホテルニューオータニ
・ホテルオークラ
・ホテル椿山荘東京
・マンダリンオリエンタル東京
・ザ・プリンス パークタワー東京
<帝国ホテルの売上構成>
・宿泊部門:約20%
・料飲部門:約20%
・宴会部門:約35%
・その他 :約25%
(※参照:帝国ホテルHP)
ホテルの部門詳細
ここでは、ホテルを構成する主要な部門である「宿泊部門」「料飲部門」「宴会部門」、そして「その他」の部門について、それぞれの特徴や役割を分かりやすく解説していきます。
①宿泊部門
ホテルといえば宿泊。
宿泊をメインで担当する部門になり、ホテルの根幹をも言える客室の販売や、宿泊客への接客を担当します。
1000室を超えるホテルやVIPをお迎えする専用の部屋があるホテルなど様々。
お客様への接客マナーはもちろんの事、ホスピタリティや語学力が要求されます。
主に下記の職種のスタッフが活躍しています。
・ベルスタッフ
・コンシェルジュ
・ドアマン
・ハウスキーピング
・リザベーション(宿泊予約)
①料飲部門
レストランやバー、結婚式での飲料を担当する料飲部門。
ホテル内には様々なジャンルの飲食店があり、朝食はバイキングとなっているところが殆どですよね。
プラス、ルームサービスでの売上が料飲部門の売上の大部分を占めています。
サービスや調理に関する専門的な知識や高いスキルが求められ、ゲストを喜ばせる需要な部門となります。
主に下記の職種のスタッフが活躍しています。
・レセプション
・調理スタッフ
・パティシエ
・バーテンダー
・ソムリエ
・スチュワード
③宴会部門
一般宴会から婚礼サービスなどを担当。
一般宴会には、企業の会議や研修・セミナー・パーティ、大学や学会・国際会議・展示会、また、芸能人の結婚会見や記者会見などがあります。
婚礼が多いホテルでは、この宴会部門の売上が大きくなります。
主に下記の職種のスタッフが活躍しています。
・宴会サービス
・ウェディングプランナー
・キャプテン
④その他
館内ショップでのスイーツや洋菓子の販売・物販などその他に含まれます。
また「帝国ホテル」や「ニュー・オータニ」「ホテルオークラ」などブランド力のある有名なホテルでは、通販は全国の百貨店などでも自社商品を販売しています。
宿泊・料飲・宴会部門とは異なり、ホテルの商品を唯一外に向けて販売している部門となります。
その他には、駐車場の収益や、不動産事業もしているホテルであれば、それらもその他の売上に含まれます。
宴会部門の売上の内訳は?
宴会部門の利益率は高く、ホテルの経営にとって重要な部門となります。
ホテルでは、様々な宴会に対応しています。
前述したようにホテルの宴会部門での売り上げには、「一般宴会」と「婚礼」の2つがあります。
シティホテルでは婚礼の売り上げが大きく占めていました。
しかし、少子高齢化やナシ婚の増加や、結婚式のスタイルの多様化によりブライダル業界での競争激化も進んでおり、一般宴会に力を入れるホテルも増えてきています。
①一般宴会
一般宴会には、法人や個人の忘年会・新年会・謝恩会などのパーティー、企業の会議や研修・セミナー・各種イベント、大学や学会・国際会議・展示会・講演会などがあります。
その他にも、会見やディナーショー・音楽会・ファッションショーなどがあり、飲食を伴うものと伴わないものがあります。
その中でも特に近年注目されているのがMICEという業界用語で呼ばれているもの。
何百人〜何千人という規模で利用される事が多くリピート率も高いため、ホテルにとっては非常に大きな売上となります。
インバンド数を増やす1つの大きな要素となりますので、国をあげて取り組んでいる分野でもあります。
②婚礼
前述したように、日本のホテルでは婚礼が多く行われ、ホテルの収入源の1つとして経営を支えていました。
しかし、人口減少や少子高齢化・未婚率増加・ナシ婚の増加などによってブライダルマーケットは縮小傾向に。
また、SNSの普及や結婚式の多様化が進んだ事から、オリジナリティのある結婚式が求められるようになってきています。
小さめの披露宴会場やレストランを貸し切っての披露宴や家族婚、庭園を使ったガーデンウェディング、ウェディングフォトなどが選択肢の1つとして選ばれるように。
1件あたりの売上は以前よりも大きく低下してしていますが、今後も更なるオリジナリティ溢れる結婚式が増えていくと予想されますので、ホテルの婚礼に対する意識や仕事も変えていかなければなりません。
また、ホテルでのウェディングは「結婚式」だけの一時的なものにはとどまりません。
例えば、挙式したホテルで、クリスマスディナーをしたり結婚記念日などに利用してもらえたり、子供が生まれたらお食い初めや七五三などで利用してもらえる事もあります。
2世代・3世代にわたって結婚式を挙げてもらえる事もありますし、リピーターとしての利用も期待できます。
日本ではホテルでの婚礼宴会の売上は非常に大きなものとなるので、各社がホテルウェディングを1つの事業として成功させていくためには、今後も新しい結婚式の形やプランを創出していく事が重要になるでしょう。
まとめ
ホテルの売上にはどんなものがあるのか、またその中でも今回は宴会部門の売上に関して詳しくご紹介させて頂きました。
主に、「宿泊部門」「料飲部門」「宴会部門」で成り立っているホテルですが、現在の日本には、シティホテル・ビジネスホテルなどなど様々な種類がありますので、その売上構成の割合は異なります。
ホテルに就職する時には、どの部門に力を入れているホテルなのか、自分のしたい仕事と合っているのか照らし合わせてみて下さいね。
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2025.12.17

