
ホテル御三家の歴史
まずは「御三家」誕生の歴史からご紹介していきます。
「御三家」の中で1番最初に誕生したのは、1890年開業の帝国ホテル。
続いて1962年にホテルオークラ東京。
その2年後の1964年にホテルニューオータニ東京が開業しました。
1890年に「帝国ホテル」など都市部には幾つかのホテルが開業されましたが、終戦後は連合軍によって接収され営業が休止。
国際連盟への加盟を果たし、経済復興が本格化するにつれて営業を再開するようになりました。
1960年代に入り、日本国内ではホテルの第一次開業ブームを迎えます。
新幹線の開業や海外旅行の自由化、また1964年の東京オリンピックや同じ年に日本で開催されたIMF(国際通貨基金)の総会に伴い、多くの要人や観光客を迎え入れられる、一流のサービスを提供できるホテルが求められるように。
1962年に「ホテルオークラ東京」、1964年に「ホテルニューオータニ東京」が開業しました。
「御三家」という言葉が生まれたのは、1960年~1970年代の高度成長期から、1980年代に世界各国の著名人を集めたサミットが東京で開催された頃。
東京サミットの宮中晩餐会のケータリングと国賓の宿泊施設として、外務省が3社を指定した事から「ホテル御三家」と呼ばれるようになりました。
大きなイベントがある際には多くの要人や観光客を迎え入れ、歴史のある老舗ホテルとして一流のサービスを提供し、長く日本の高級ホテル市場を牽引。
世界レベルの評価を得ており、現在の日本の3大高級ホテルとも言われています。
ホテル御三家の概要
続いて、各ホテルの概要をご紹介していきます。
帝国ホテル東京
本社所在地 :東京都千代田区内幸町1-1-1
開業年月日 :1890年11月3日
従業員数 :1680名 ※2023年3月時点
売上高 :438億円 ※2023年3月期
客室数 :1458室
拠点数 :国内4・海外0
<立地>
日比谷駅・内幸町駅:徒歩3分
銀座駅 :徒歩5分
<施設>
宴会場 :28
結婚式 :3(神前1・チャペル2)
料飲施設:13
その他 :
ホテルショップ ・プール・スパ・美容室など様々な施設が充実。
<歴史>
1890年に日本の迎賓館として開業。
西洋化を推進する明治政府の要請に応じ、当時を代表する経済人である渋沢栄一や大倉財閥設立者の大倉喜八郎、三井物産を創設した益田孝らが設立発起人となり、宮内省や当時の名だたる財閥が出資をして帝国ホテルを開業しました。
初代会長は渋沢栄一が務め、「社会の要請に応え、貢献する」という信念の下、開業以来19年間経営を任されました。
開業後は、多くの外国人や日本の上流階級の人々に愛され、東京オリンピック(1964年)などの大規模イベントにも関わってきました。
明治20年の創業以来、約130年以上の歴史と一流のサービス・格式の高さで日本(東京)を代表する高級ホテルとして確固たる地位を確立。
マリリン・モンローやヘレン・ケラー、マイケル・ジャクソン、ジョンレノ、エリザベス女王など多くの著名人も宿泊しています。
<特徴>
日本で、初めてランドリーサービスやウェディングサービス・バイキングを開始。
また、ホテル内で買い物ができるアーケードを開設し、ホテルウェディングの基礎作りやホテルでのバイキングを定着させました。
日本のシティホテルのパイオニアでもある帝国ホテルは、多くのホテルに多大なる影響を与えており、現在でもその格式や歴史的価値を保ちながら、世界中からの訪問者を迎え入れ日本のおもてなしを提供しています。
<株式会社帝国ホテルの主なホテル>
帝国ホテル大阪
上高地帝国ホテル
帝国ホテル京都(2026年春に開業予定)
ホテルオークラ東京
本社所在地 :東京都港区虎ノ門2-10-4
開業年月日 :1962年5月20日
従業員数 :758名 ※2022年4月時点
売上高 :644億円 ※2023年3月期
客室数 :2.4万室
拠点数 :国内53・海外26
<立地>
神谷町駅・六本木一丁目駅:徒歩約10分
虎ノ門駅 :徒歩約15分
<施設>
宴会場 :9
結婚式 :3(神前・チャペル2)
料飲施設:7
その他 :
クラブラウンジ ・プール・スパ・サウナ・ジム・フラワーショップなど様々な施設が充実。
<歴史>
1960年代初頭、日本政府は東京オリンピックの際に、外国人をもてなす高級ホテルの必要性を感じ開催の2年前に開業。
設立したのは、明治から昭和にかけて大倉財閥を築いた大実業家であり「帝国ホテル」の生みの親、大倉喜八郎の長男である大倉喜七郎。
1922年から父の跡を継ぎ、帝国ホテル会長・社長を務めたのちに、1962年に、大倉喜七郎氏の邸宅跡地である赤坂の閑静な高台に「ホテルオークラ」を開業し、1964年の東京オリンピックの際には国内外からの多くの来賓を迎え入れました。
同じ年に日本で開催されたIMF(国際通貨基金)の総会の際にも、同ホテルの大広間「平安の間」が会場に選ばれ、日本を代表する国際的なホテルとしての地位を確立。
<特徴>
開業時から「帝国ホテルを超えるホテル」を目指し、「世界をもてなす」というスローガンの下、世界中の賓客を高いクオリティでもてなすホテルオークラ東京。
日本らしいホテルを作りたいと、「和」の要素を取り入れた設計を行い、日本の伝統美を取り入れ洗練されたデザインと高級感が特徴です。
和の要素を上手く取り入れた内装や庭園は世界から称賛され、オバマ大統領などアメリカの歴代大統領やイギリスのダイアナ妃、マイケル・ジャクソンやジョン・レノンなど、世界の著名人が多く宿泊してきました。
日本文化への配慮やおもてなしの心を大切にし、サービスの向上を図る事で高い評価を得たホテルオークラ東京は、長きにわたり日本での高級ホテルとしての地位を築いてきました。
2015年に一度閉鎖されましたが、2019年に建て替えが完了。
2020年に新たな建物として再オープンし、現在も日本の伝統美と最新の機能を備えたホテルとして、国内外から多くのゲストを迎えています。
<株式会社ホテルオークラの主なホテル>
ホテルオークラ京都
グランドニッコー東京 台場
ホテルJALシティ東京 豊洲
ホテルニューオータニ東京
本社所在地 :東京都千代田区紀尾井町4-1
開業年月日 :1963年1月18日
従業員数 :1350名 ※2022年4月時点
売上高 :381億円 ※2023年3月期
客室数 :5033室
拠点数 :国内13・海外1
<立地>
赤坂見附駅・四ツ谷駅:徒歩10分
<施設>
宴会場 :35
結婚式 :1(チャペル1)
料飲施設:41
その他 :
ガーデンプール・スパ・エステサロン・茶室など様々な施設が充実。
<歴史>
1962年の東京オリンピック開催に向けて、外国人をもてなす高級ホテルの必要性を感じた国の要請を受け、大谷米太郎がホテル建設を開始。
1964年、当時の最先端の技術を取り入れ日本初の高層ホテルとして開業しました。
建設地として選ばれたのは、東京都千代田区の赤坂エリアの広大な敷地面積を誇る都心の一等地。
「ザ・メイン」「ガーデンタワー」「ガーデンコート」の3つの異なるタイプのホテルから成り立っており、江戸城外壁に囲まれた広大な庭園は東京名園の一つとして東京の観光名所となっています。
加藤清正公の下屋敷や井伊家の庭園として、400年以上の歴史を有する由緒ある日本庭園です。
<特徴>
御三家の中で唯一建て替えをせずに、国内外のゲストに快適な空間を提供し続けています。
日本を代表する高級ホテルブランドの一つとして、国内外のVIPや著名人・観光客に利用されています。
日本初の高層建築や東洋一の規模、360度回転展望レストランなど、開業当初から設備やサービスにこだわりを持ち続けていました。
会社名にもあるように、「伝統」を大切にしながらも常に「ニュー」新しくあり続けるホテルニューオータニは、日本のホテル業界のトップブランドとしての地位を確立しました。
<株式会社ニュー・オータニの主なホテル>
ホテルニューオータニ大阪
ホテルニューオータニ幕張
ニューオータニイン札幌
御三家の企業別売上高ランキング
ホテル御三家の企業別売上ランキングは下記になります。(2023年度)
<1位>
株式会社ホテルオークラ:644億円
<2位>
株式会社帝国ホテル:438億円
<3位>
株式会社ニュー・オータニ:381億円
まとめ
日本を代表する「ホテル御三家」についてご紹介しました。
一流のサービスを提供し、日本の伝統を守り続けている「御三家」には、多くの歴史と魅力が詰まっていますよね。
日本の老舗ホテル御三家②では、御三家の共通点や星の数
日本の老舗ホテル御三家③では、外資系ホテルや「新御三家・新々御三家」の登場による御三家の取り組み等についてご紹介していきます。
是非参考にしてみて下さいね。
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2024.12.17