aif.jpg
 
 

前回のコラム「日系ホテルと日本外資系ホテルの違い①」では、企業の成り立ちや運営形態、ブランドの特徴について解説してきました。

しかし、転職を考えるうえでより気になるのは、実際に働いたときの給料や働き方、どのようなキャリアを描けるのかではないでしょうか。

同じホテル業界でも、日系ホテルと外資系ホテルでは、評価制度や昇給の考え方、働く環境、求められるスキルに違いがあります。

そこで本記事では、給料水準・勤務スタイル・キャリアパスといった視点から、日系ホテルと日本外資系ホテルを比較し、それぞれに向いている人の特徴を分かりやすく解説します。

自分に合ったホテル選びや、後悔しない転職を実現するための参考にしてください。

 

 

目次

 

 

日系ホテルと外資系ホテルの違い8つ

 

日系ホテルと外資系ホテルは、同じホテル業界でありながら、給与体系や働き方、評価制度、キャリアパスなど、実際に働く環境にはさまざまな違いがあります。

「安定して長く働きたい」「成果を評価されたい」「将来は管理職や海外勤務を目指したい」など、人によって理想の働き方は異なるため、どちらが自分に合っているかを見極めることが転職成功のカギとなります。

ここでは、転職者が特に気になるポイントを中心に、日系ホテルと外資系ホテルの違いを8つの視点から分かりやすく解説していきます。

それぞれの特徴を比較しながら、自分に合ったホテル選びの参考にしてください。

 

 

①拠点(本社)             

 

<日系ホテル>

日本

<外資系ホテル>

海外
※フランス・アメリカ・中国など

 

 

②運営形態              

 

<日系ホテル>

ホテル所有者が運営・経営も行う「所有直営方式」が多い。

 

<外資系ホテル>

所有・運営・経営を分けている場合が多く、土地や建物を運営会社に貸し出す「リース方式」や、運営を別の日本の会社に委託する「運営委託方式」を採用している企業が多くなっています。

 

 

③強み                

 

<日系ホテル>

前述したように、日系ホテルは所有も運営も直営で行っている事が殆ど。

そのため、独自で決定権を持っており、お客様のニーズやその時のトレンドに合わせて迅速な対応ができたり、日本ならではのきめ細やかなサービスをお客様に提供できる強みがあります。


<外資系ホテル>

チェーンで展開しているホテルが多いため、業務の効率が良いというメリットがあります。

訪日外国人にとって外資系チェーンホテルは馴染みがあり安心感があるため、宿泊を希望するケースが非常に多くなっています。

また、外資系ホテルは自社ホテルグループの会員数が非常に多く、各ホテルの宿泊客の半分は会員で占めているというケースも。

そのため、顧客の囲い込みにも成功しており安定的な収入を得ています。

世界中でホテルを展開する巨大ホテルチェーンや、5つ星を獲得している高級ホテルグループなどの開業が日本国内でも相次いでいます。

 

 

④ホテルの種類や価格帯        

 
<日系ホテル>

外資系ホテルと同等のラグジュアリーホテル(客室単価5万円以上)もありますが、リゾートホテルや複合型ホテル、ビジネスホテルなど様々な種類があります。

そのホテルによって、宿泊目的や客層・サービス内容・価格帯が大きく異なります。

ビジネスホテルやエコノミーホテルなど、全体的なサービスが最低限に抑えられているため、リーズナブルな価格になっていルホテルも多く存在しています。


<外資系ホテル>

日本に進出している外資系ホテルの殆どが、高級業態のラグジュアリーホテルになるので、メインターゲットは主に富裕層。

そのため、施設面やサービスなど全てにおいてハイレベルなものを要求されます。

また、大型宴会場をもたない宿泊中心型の高級ホテル業態が多くなっています。

以前は東京・京都・大阪などの都心部への出店が目立っていましたが、近年は訪日外国人が観光で訪れる事が多くなったため、北海道や沖縄、箱根や日光などへの開業も増えています。

  

 

⑤働き方や教育            

 

 <日系ホテル>

日本は古くから上下関係を重要視する傾向にあります。

新卒を中心に採用し、充実した新人教育や研修を受けて、幹部候補まで育て長年自社に貢献できる人材を確保する日系企業。

そのため勤続年数や配属場所に応じて、役職が上がれば賃金も上がっていくという年功序列制度が未だに残っています。

ホテルによっては、2〜3年で配属部署が変わり様々な仕事を経験する事も多いです。

<外資系ホテル> 

新人をじっくり育てていくという日系企業に対して、成果主義の企業が殆ど。

即戦力となる中途採用を積極的に行っています。

そのため、日系企業ほど新人教育や研修には力を入れていない企業が多いです。

キャリアに対して積極的に動けるかどうかや自己主張ができるかどうかを重要視しています。

自分の実力と価値を高め、キャリアアップしていきたい・その道のスペシャリストになりたいという人にとっては、外資系ホテルは、これ以上ない環境であるとも言えます。

一方で、ホテルの幹部クラスは、世界各国にグループホテルのマネージャーがいて、海外のマネージャーが派遣されてくる場合が多くなっています。

そのため、幹部クラスに登用されるには、相当大きな成果を出し続けていかないと難しいので高いポジションに就きたいと思っている場合は、デメリットになるかもしれません。

 

 

⑥評価基準              

 

<日系ホテル>

日本は「教育」という文化が深く根付いているため、研修制度が充実していたり、直属の上司や先輩が丁寧に仕事を教えてくれます。

後輩や部下が出来ていなければ、その上の者が出来ていないと判断される事もあります。

成果を出すまでにどのように取り組み努力したか、成長できたかといった過程が比較的重視されます。

また、組織の「輪」を重んじる傾向にあるため、チームワークを大切にする企業が多い傾向に。

どちらかというと自己主張をするよりも、チームの輪を乱さずに働く事が大切になります。 

 

<外資系ホテル>

教育やチームワークを大切にしている日系ホテルに比べて、外資系ホテルは「成果」を重要視しています。

つまりチームワークを重視し、自分の意見を我慢するよりも、お客様に最高のホスピタリティを提供するという目的を達成するためにはどうすれば良いのか、勤組織がもっと効率的に成果を出すためにはどうしたら良いのか、など積極的に自分の意見を言える人の方が評価される傾向にあります。

何も主張しない人間は、やる気がない人間と見なされ、成果を出す事ができなければリストラ対象となる事も。

当然ながら、日系ホテルのような年功序列という思考は無く、その人のスキルによってポジションが決まるので年人に人が上司になったり、年上の人が部下になる事も多々あります。

 

 

⑦給料・年収             

 

<日系ホテル>

前述したように、日本には年功序列の制度が根強く残っている企業が多いため、役職に就かないと年収が上がりにくい傾向にあります。

また、一概には言えませんが、ラグジュアリーホテルなど高いサービス力を求められるホテルであれば高年収も狙えますが、ミドルやエコノミー・ビジネスクラスのホテルであれば、客室単価も下がりますし求められるスキルもラグジュアリー程高くないため、給与水準は低くなりがちです。

 

 <外資系ホテル>

海外には年功序列という考え方はなく、勤続年数に関わらず、労働の種類と量に基づいて賃金を支払うという「同一労働同一賃金」が基本です。

新人であろうとベテランであろうと、高い成果を出せばそれに応じた高い給与が支払われます。

会社にとって利益を出せない存在だとみなされると、降格させられたりリストラされる事もありえます。

日系企業に比べ、日本外資系企業は成果主義・実力主義で競争が激しいので自分個人のスキルアップも必須。

また、日本外資系ホテルはラグジュアリーホテルが殆どで、高価格帯のサービス提供をしている事から、お客様から要求されるサービスレベルも当然高くなります。

世界中からお客様が来館しますので英語力も日系ホテルより求められます。

求められる仕事のレベルが高ければ高いほど、給与水準も高くなっていくので、日系ホテルに比べ年収も高くなる傾向にあります。

 

 

⑧キャリアパス             

 

 <日系ホテル>

日系ホテルでは、フロントやベル、サービス等の接客を経験し、5〜10年かけてその部署のリーダーやキャプテンなどにキャリアアップし、その後本部の営業企画やPR・人事の仕事などに携わっていくのが一般的。

2〜3年で部署を変わり、様々な職種を経験する事も多くあります。

しかし、近年では、大学を卒業した新卒者が本部職に配属されたり、実力が認められれば入社後の年数が短くてもマネージャーに抜擢されるといったケースも増えています。

 

 <外資系ホテル>

日本外資系ホテルでは、どちらかというと年数をかけてキャリアアップしていくというよりも個人のスキルによってキャリアが決まっていきます。

前述したように、ホテルの幹部職は海外のマネージャーが派遣されてくる場合が多いため、どちらかというとスペシャリストとして現場のプロを目指すといったキャリアプランの方が多い傾向にあります。

そうすると基本的には部署の異動がなく、1つの部署でその道を極めていくようになります。

ホテルによってはゼネラルコースというものがあり、日系ホテルのキャリアプランと同じように、現場のマネージャークラスに進み部門長や本部職、最終的には総支配人を目指すようになります。

 

      まとめ        

 

日系ホテルと日本外資系ホテルは、同じホテル業界でありながら、給料体系や働き方、評価基準、キャリアパスに大きな違いがあります。

日系ホテルは、長期雇用や教育を重視し、年功序列をベースに段階的にキャリアを積んでいくスタイルが主流です。

部署異動を通じて幅広い経験を積める点や、チームワークを大切にする文化に魅力を感じる方も多いでしょう。

一方、日本外資系ホテルは成果主義・実力主義が基本で、年齢や勤続年数に関係なく評価される環境。

高い語学力や専門スキルが求められる分、成果を出せば高年収や早期キャリアアップを目指すことも可能です。

ただし競争は激しく、常に自分の価値を示し続ける姿勢が求められます。
どちらが優れているというわけではなく、「安定して働きたいのか」「挑戦的な環境で成長したいのか」といった価値観によって適した職場は異なります。

自身の理想の働き方や将来像を明確にし、納得できる転職を実現するための判断材料として、本記事の内容をぜひ役立ててください。

 


*


 

ホテルビズでは、全国の様々なホテルの正社員・契約社員・アルバイトの求人を取り扱っています。

また、正社員で転職を希望される方には、転職支援サービスも行っています。

求人をお探しの方・転職をご検討の方は「会員登録:無料」をご利用下さい。

 

2025.12.16