日本のホテルといえば、日本のホテルの種類①でご紹介したように、「ビジネス・シティ・リゾート」の3タイプでしたが、旅行スタイルの多様化や、外資系ホテルの進出によるホテル業界の競争が激化などから様々な業態のホテルが誕生しました。
今回は、その他のホテルの業態をご紹介します。
多様化する宿泊業態
前述したように、現在の日本の宿泊業態は多様化しています。
主な3つの業態以外の8つのホテルの業態をご紹介します。
都市部に立地し、主に出張ビジネスマンを対象
②シティホテル
都市部に立地し、「宿泊・料飲・宴会」全てを兼ね供えている
③リゾートホテル
リゾート地や保養地に立地し、主に観光客を対象
①複合型ホテル
テーマパークやショッピングアーケード、駅ビル、空港など他の業種と併設しているホテル。
人が多く集まる施設内にあり、テーマパークやお買い物した後ゆっくり食事したい方や宿泊したい方向けです。
東京ディズニーランドやハウステンボス、六本木ヒルズなどが代表的な例となっています。
<複合ホテル例>
①東京ディズニーシー・ホテルミラコスタ
②グランドハイアット東京(六本木ヒルズ)
③ザ・リッツカールトン(東京ミッドタウン)
④アンダーズ東京(虎ノ門ヒルズ)
⑤アマン東京(大手町タワー)
⑥インターコンチネンタル大阪
(グランフロント大阪)
⑦シェラトン・グランデ・トーキョーベイ・ホテル
(東京ディズニーリゾート)
★ハウステンボス
⑧ホテルアムステルダム
⑨ホテルトーロッパ
⑩フォレストビラ
②コミュニティホテル
大都市圏の近郊都市や地方都市に立地する中規模のホテルで、機能はシティ・ホテルとほぼ同じ多機能型。
会議室・宴会・結婚式などの機能を有しており、地域の交流の場としての利用をターゲットとしています。
リーズナブルな価格帯となっており、その地域の中核となる都市機能を果たしています。
客室は100室前後。
シティ・ホテルとビジネス・ホテルの中間に位置することから中級ホテルと呼ばれる事もあります。
③アーバンリゾートホテル
リゾートホテルは、観光地やリゾート地等に立地しているのに対し、都心にありながら、海や自然などリゾート気分を楽しめるホテルをアーバンリゾートホテルと呼びます。
従来のシティホテルの特徴でもある「宿泊・料飲・宴会」だけでは競合に勝てないため、都市部でも「リゾート気分になれる」「癒される」「遊べる」といった機能があるホテル=「アーバンリゾートホテル」が登場しました。
機能はシティホテルとほぼ同様ですが、違いは、温泉やスパ・プール・マッサージなどのリラクゼーション設備が充実している点が多いところです。
シティホテルでもこのような付帯施設がついている事が多いですが、アーバンリゾートホテルは、それにプラスして、都市の中でも緑を感じられるようなガーデンや屋上庭園が備えられていたり、ナイトプールなどを楽しめたり、南国ムードの漂う大型のプールがついている事が多いため、自然やリゾート気分を楽しめる施設がついているなどの特徴があります。
シティホテルと同様にアクセスが良いなどの利便性もあるため、都心でショッピングや観光を楽しんだ後に、贅沢な気分で疲れを癒せるのがアーバンリゾートです。
アクセスが良く利便性もあり、都会に居ながら非日常的な時間を楽しむ事ができるのが特徴です。
また、公園やレジャー施設の多い街中や都心の海辺=お台場や舞浜地区などに多くあるため、カップルやファミリーに人気です。
立地も良いため出張などのビジネスシーンで利用する人も増えています。
<アーバンリゾートホテル例>
①ヒルトン東京ベイ
②東京ベイ舞浜ホテル ファーストリゾート
③ホテルインターコンチネンタル東京ベイ
④ホテルニューオータニ ガーデンタワー
⑤コンラッド東京
⑥京王プラザホテル
⑦横浜ベイホテル東急
⑧ホテル椿山荘東京
⑨オーベルジュ オーパヴィラージュ
⑩ザ・カハラ・ホテルアンドリゾート横浜
④エアポートホテル(空港)
空港構内や空港の近くにあるホテルの事を指します。
殆どのエアポートホテルにはターミナル行きのシャトルがあり、早朝や深夜の便に乗る出張客や日本の旅行客、海外からの観光客に多く利用されています。
以前は、宿泊(寝る)するだけのホテルでしたが、近年ではそれだけにとどまらず、レストランや温泉・スイートルームやMICE(企業などの会議や研修)会議室やホールなどを充実させているホテルも増えてきています。
外国人観光客(インバウンド)の政府目標は2030年に6000万人。
空港ターミナルに直結・隣接するホテルの需要は益々高まるでしょう。
<エアポートホテル例>
①オディシススイーツ大阪エアポートホテル
②羽田エクセルホテル東急
③ヴィラフォンテーヌ プレミア羽田空港
④OMO関西空港
⑤関西エアポートワシントンホテル
⑤ブティックホテル
80年代のアメリカで発祥し、日本ではまだあまり馴染みがありませんが徐々に増えつつあります。
従来のようなチェーン運営されているホテルではなく、各ホテルに独自のコンセプトがあり、多様なニーズを捉えたデザインやサービスなどの専門性を持った付加価値の高いホテルの事。
客室が100~10室程で規模が小さく、「デザイナーズホテル」と呼ばれる事もあります。
コンパクトですが、質の高いサービスを受ける事ができるため、価格も高めとなっておりラグジュアリーホテルにカテゴライズされます。
<ブティックホテル例>
①TRUNKHOTEL(代々木)
②HOTEL K5(日本橋)
③星のや東京(大手町)
④HOTEL LEON(目黒)
⑤ONE@Tokyo(押上)
⑥庭のホテル(水道橋)
⑦node hotel(京都)
⑧Ace hotel kyoto(京都)
⑨うみのホテル(神奈川・葉山)
⑩箱根本箱(神奈川・箱根)
⑥会員制リゾートホテル
会員制のホテル。
リゾートクラブの会員権を購入する事で、リゾート会員権を購入した本人・家族・同伴者・会員の紹介者が利用できるようになります。
レストランやプール・スパ・大浴場・カラオケルームなどの設備も充実しており、良質なホテルスタッフのサービスも受けられます。
リゾート会員権を購入する際は、基本的に入会金や保証金などが必要となりますが、会員権を持っていると同グレードのホテルを通常利用した場合より、リーズナブルな宿泊価格帯で泊まれるというメリットがあります。
また、旅行や仕事など用途にあわせて、そのホテルが持っている全国各地にある好きな施設を選ぶ事ができます。
別荘とは違いメンテナスや維持費もかかりませんが、会員権を保有する限り年会費や管理費などはかかり続けます。
<会員制ホテル例>
①エクシヴ
②グランリゾート
③東急バケーションズ
④リロバケーションズ
⑤セラヴィリゾート泉郷
⑦カプセルホテル
ホテルという名前がついていますが、旅行業法ではホテル営業ではなく簡易宿泊営業にあたります。
エコノミーホテルと同じような業態になります。
部屋・個室ではなく、睡眠・お風呂という機能別にカプセル型の二段重なねたスタイルになっており、スペースを集約する事で効率化を図り、低価格を追求した、合理的な宿泊施設となっています。
カプセルホテルは眠る事がメインの宿泊施設というイメージが強いと思いますが、施設よっては大浴場・サウナ・ラウンジなどが備えられており、ビジネスホテルよりも充実した機能を提供しているところもあります。
最近では、女性専用のフロアやタブレットや漫画の貸し出しなどのサービスが充実しており、女性客や海外の観光客の利用も増えてきています。
⑧旅館
旅館は、日本独自の「和」のスタイルを貴重とした宿泊施設の事を指し、和室を中心とした客室、朝食と夕食の2食の準備・温泉・浴衣や下駄・布団などが一般的となっています。
伝統的な宿泊文化となっている事からそれ自体を楽しむ観光客もいます。
また、日本独特のおもてなしの精神が行き届いている施設が多く、女将さんや仲居さんが常駐しています。
ホテルよりも客室数が少いのはきめ細やかな対応が必要だからです。
以前は都心にも数多く見られましたが、ビジネスホテルが広まった事により減少していきました。
一方温泉地やリゾート地には伝統的な日本旅館が残っており、家族や友人・外国からの旅行客に人気があります。
まとめ
近年の日本では、外資系ホテルの進出も相次ぎ、ホテルのニーズも多様化している事から各ホテルの競争が激化しています。
ホテルのコンセプトを明確にし、宿泊客に感動を与えリピーターとなってもらえるようなサービスが求められてきているため、従来にはなかったようなブティックホテル・コンドミニアムなどのスタイルのホテルも人気を集めています。
今後ますます外国人が増える事も予想されるため、今後更に新しいカテゴリーのホテルも増えてくるかもしれません。
就職先として自分がどのようなホテルで働きたいのか、是非参考にしてみて下さいね。
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2025.06.20