近年色々なシーンで聞かれる事が多いSDGsという言葉。

旅行先のホテルを選ぶ際に、「環境に配慮しているかどうか」で判断するという人も増えてきています。

ホテルでは、プラスチック製のアメニティ・電力や空調・大量の水・食品ロスなどあらゆるシーンで膨大な地球資源を使用しているため、SDGsに取り組む事によって社会的責任を果たす事が求められています。

そこで今回は、日本を代表する「ホテル御三家」3社のSDGsへの取り組みをご紹介していきます。

 

*ホテルが取り組めるSDGs→こちら
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*ホテル新御三家の取り組み→こちら
*ホテル新々御三家の取り組み→こちら

 

 

  

 SDGsとは・17のゴール  

 

SDGsとは、「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称。

現在問題となっている「貧困・格差・環境問題」などを改善し、持続可能な世界・よりよい社会の実現を目指すために、国際社会共通の目標を掲げたものです。

2030年までの達成を目指して、17のゴールと169のターゲットから構成されています。

現在様々な業界で取り組みが行われていますが、ホテル業界においてもSDGsへの対応が求められています。

2015年9月に開催された国連サミットにおいて決議された、SDGs=持続可能でよりよい社会の実現を目指す国際社会共通の目標は以下の17つになります。

 

 

出典:持続可能な開発目標(SDGs)達成に向けて日本が果たす役割

 

 

*SDGs・17のゴール*
1  :貧困をなくそう
2  :飢餓をゼロに
3  :すべての人に健康と福祉を
4 :質の高い教育をみんなに
5 :ジェンダー平等を実現しよう
6 :安全な水とトイレを世界中に
7 :エネルギーをみんなにそしてクリーンに
8 :働きがいも経済成長も
9 :産業と技術革新の基盤を作ろう
10:人や国の不平等をなくそう
11:住み続けられるまちづくりを
12:つくる責任つかう責任
13:気候変動に具体的な対策を
14:海の豊かさを守ろう
15:陸の豊かさも守ろう
16:平和と公正をすべての人に
17:パートナーシップで目標を達成しよう

 

 

ホテル御三家・3社の取り組み事例 

 

日本国内の各ホテルで様々な他取り組みが行われていますが、ここでは日本の「御三家」と呼ばれる3社のホテルのSDGsの取り組みを、一部ご紹介していきます。

 

 

①帝国ホテル



*サスティナビリティ推進委員の設置*   

サステナビリティ推進委員会を発足、SDGsチームを結成し各分野事の活動や施策の検討・実施。

11の目標を設定し、SDGsを基盤とした取り組みや活動を社内に浸透させる体制を整え積極的に取り組んでいます。

 

 

*東京・大阪の全館でCO2フリー電力の導入*

2022年度に、上高地帝国ホテルでカーボンニュートラルを達成。

帝国ホテル 東京・大阪でも、2023年10月より使用電力の全量を実質CO2フリー電力に切り替え、省エネルギーの推進と併せてCO2排出量抑制に努めています。

 

 

*食品ロスの実現*            

調理時に食材を無駄なく使用する工夫やオーダーバイキングの導入などを進めています。

また、レストランや宴会場で出た生ごみを、2007年から乾燥させて再資源化。

パートナー企業を通じて野菜栽培用の肥料に変え、その肥料を使って育った野菜を「環境循環型野菜」として購入し、レストランの一部メニューで使用されています。

※参照:HP

 

 

The Okura Tokyo

 


*「サステナブル建築物等先導事業」に認定*

地域と連携した災害時の対応やクールスポットの形成、また、ホテルと事務所等の異種用途で構成される施設特性を活かした効エネルギーシステムの構築、CO2削減対策などが評価され、国土交通大臣より「サステナブル建築物等先導事業(省CO2先導型)」に認定されています。

また、港区より「みなとモデル二酸化炭素固定認証制度」において「CO2固定量を認証した建築物」としても認定。

広大な敷地のおよそ半分は庭園になっていて、緑化の推進による地球温暖化や気候変動対策にも積極的に取り組んでいる事が分かります。

 

 

*省エネルギーの実現*          

LED照明・人感センサー付き照明・空調機の変風量制御の導入など省エネ機器の積極的に活用。

また厨房から出る排やプール排水を中水として再利用する事で、省エネルギーの実現に成功しています。



*お客様と共に環境保護への取り組みを実施*

プラスチックストローから紙製ストローへ変更・プラスチック製ビニール袋の廃止・リネン無交換促進などお客様と共に環境問題への取り組みを行なっています。

また、スキンケアアメニティは、天然由来成分や国産原料にこだわったナチュラルコスメブランドを採用。

製造・開発の過程で動物実験が行われておらず、動物福祉や生態系の保護への取り組みにも賛同しています。

 

※参照:HP

 

 

 

ホテルニューオータニ東京


*フードロスの削減・食の安全*      

1999年に「コンポストプラント」を導入。

 

その堆肥を契約農家が買取り、育った野菜をホ テルで活用する循環システムを確立しています。

レストランやバーから排出される約5トンの食物残渣を、地下の「コンポストプラント」で100%有機堆肥へ変えています。

その有機堆肥は契約農家に購入され、育った野菜などは一部のレストランや従業員食堂で提供されています。

また、食料の安定確保・環境負荷低減にも取り組んでおり、植物由来の「大豆ミー ト・豆乳クリーム」などを使用した料理を提供。

美味しさとサステナビリティを追求したメニュー開発に積極的に取り組んで います。


*節水への取り組み*           

「中水造水プラント」を設置し、ホテルから出る排水を巡回させ洗浄・塩素殺菌の、トイレやホテル内の植物用の水として再利用しています。



*CO2・消費電力削減の実現*       

CO2削減とヒートアイランド現象軽減のために屋上緑化を推進。

赤いバラが咲き誇る「レッドローズガーデン」もその取り組みから誕生したのもであり、CO2排出量を基準値※より40%の削減に成功しています。

また、消費電力削減のため、館内約30箇所で蛍光灯からLED照明へと変更。

1万坪の日本庭園の夜間のライトアップにもLEDを使用。

年間約1300tのCO2削減、300万kwhの消費電力削減に成功しています。

東京ガスとの協働により「カーボンニュートラ ル都市ガス(CNL)」をホテル業界で初めて導入。

5年間で約35,000tのCO2削減への実現に取り組んでいます。

 

※参照:HP

 

 

    まとめ     

 

各ホテルでSDGsの取り組みが行われていますが、今回は3社の一部をご紹介させて頂きました。

今までのホテル業界では、衛生面などの配慮もあり、歯ブラシやヘアケア商品など多くのアメニティが使い捨てのプラスチック製品を使用していました。

また、前述したように、電力や空調、浴室・トイレ・清掃・洗濯などでの大量の水の使用、食品ロスなどあらゆるシーンで膨大な地球資源を使用しています。

そのため、ホテルなどの宿泊施設経営企業がSDGsの実現に向けて積極的に取り組む事は、17の目標を達成する上で非常に重要といえます。

持続可能な世界を実現する動きは、世界のトレンドでもあり近年加速しています。

ホテルのブランドイメージ向上の要素としてもSDGsへの取り組みは重要な要素の一つになっていますし、様々な方向からSDGsの実践をする事はそれほど難しい事ではありません。

各ホテルのSDGsへの取り組みは他のホテルとの差別化に繋がりますし、企業経営の責任の1つとして積極的に取り組んでいるホテルも多くあります。

ホテル業界で働きたいという方は是非各ホテルのSDGsへの取り組みも参考にしてみましょう。

 

 

 

 

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2024.12.17