
今回は、前回のコラムに引き続き、ホテルと旅館のそれぞれの数とメリット・デメリットなどについてご紹介していきます。
・ホテルと旅館の違いについては→こちら
日本にあるホテルと旅館の数
厚生労働省によると、2022年度の日本の「ホテル・旅館」の軒数は下記の数字となっていました。
<ホテル・旅館の合計数>
5万321軒
<客室の合計数>
177万752室
平成29年に公布された旅館業法の法改正により、営業種別が統合し「旅館・ホテル営業」となったため、合計の数字となっています。
(参考:厚生労働省 2022年度 旅館・ホテル営業の施設数・客室数及び簡易宿所の施設数)
旅館業法の改正が施行される前の2017年は、「ホテル営業」「旅館営業」が分かれていたため、下記では2018年10月発表の「衛生行政報告書」による、日本のホテルの数と旅館の数をお伝えしていきます。
おおよそですが、ホテルは1万軒強・旅館は4万軒弱となっており、ホテル営業数は年々増加しているものの旅館営業数は年々減少しています。
日本にあるホテルの数と旅館の数(2017年)
<ホテル営業数>
1万402軒
前年度より+301軒
客室数:90万7,500室
前年度より+3万7,690室
10年前の2007年度と比較すると、+10.2%
1:帝国ホテル東京
2:ホテルオークラ東京
3:ホテルニューオータニ東京
4:パークハイアット東京
5:フォーシーズンズホテル椿山荘東京
6:ウェスティンホテル東京
7:マンダリンオリエンタルホテル東京
8:ザ・リッツ・カールトン東京
9:ザ・ペニンシュラ東京
<旅館営業数>
3万8千622軒
前年度より−867軒
客室数は:68万8,342室
前年度より−3,620室
10年前の2007年度と比較すると、−26.1%
1:星のや東京
2:前野原温泉 さやの湯処
3:プロスタイル旅館 東京浅草
4:ONSEN RYOKAN 由縁 新宿
5:天然温泉 凌雲の湯 御宿 野乃 浅草
ホテルと旅館それぞれのメリット
旅行や仕事などで利用されるホテルと旅館。
ホテルが増加傾向である一方で、旅館は減少傾向にあります。
ではそれぞれにどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。
まずはメリットからご紹介していきます。
ホテルのメリット
ホテルのメリットは、客室数が多いため急な宿泊に対応できる事や、オートロック・防音対策など、プライバシーやセキュリティが重視されているので部屋で安心してゆっくり過ごす事ができる点などが挙げられます。
客室の機能性も高いため、トイレや浴室など必要な設備や、アメニティなどの備品が充実しており快適に過ごす事ができます。
また、基本的には食事がついていない事が多いので、深夜のチェックインに対応してくれたり、好きな時間に食事ができるなど融通が利きます。
様々な設備も充実しており、ジムやプール・SPAやエステなどが備え付けられていたり、ホテル内のバーでお酒を飲んだりする事も可能です。
自分の好きなサービスを自分で選ぶ事ができますので、自分の時間を大切にしたい・楽しみたいという方には大きなメリットがあると言えるでしょう。
旅館のメリット
旅館のメリットは「行き届いた手厚いおもてなし」「細やかな気配り」を受ける事ができる点です。
旅館には通常、女将と仲居さんがおり、到着すれば女将さんが温かく出迎えてくれチェックアウトの際も気持ちよく送り出してくれます。
チェックイン後は仲居さんが荷物を室内まで運んでくれ、お茶を出してくれたり観光スポットなどについて教えてくれます。
食事や布団の準備も仲居さんが丁寧に行ってくれるため、ゆったりとした時間を過ごす事ができます。
旅館では、地元の食材を使った郷土料理や、旅館ごとの異なった温泉施設などそれぞれ特徴があるため、その旅館へ行くのが楽しみという方も多くいるでしょう。
豪華な食事や見晴らしのよい露天風呂など非日常的な時間を過ごす事も。
人と人のコミュニケーションを大切にした、人の手による温かみのあるサービスを受ける事ができる点は旅館の大きなメリットです。
ホテルと旅館それぞれのデメリット
続いてデメリットをご紹介していきます。
ホテルのデメリット
前述したように、ホテルは基本的には受動的なサービスとなるため、こちらから何かリクエストしないとおもてなしを受ける事は基本ありません。
その土地の魅力などについて話を聞いたり観光スポットを楽しむためには、自分から行動しないといけないため、物足りなさを感じてしまう方もいるかもしれません。
ただし、シティホテルやリゾートホテルの場合は、コンシェルジュやフロントスタッフに聞けば必ず詳しく親切に教えてくれます。
物足りないと感じる事もあるかもしれませんが、おもてなしの最高峰とも言われている「ホテル」。
何か困った事や相談事があった時には、満足のいく対応をしてくれるでしょう。
旅館のデメリット
旅館の場合は、こちらから頼まなくても、仲居さんが食事や布団の準備をするなど客室内でおもてなしをしてくれます。
そのため、ストレスを感じる事なく過ごす事ができますが、プライバシーがなく、落ち着かない・気になるという方もいるかもしれません。
また、温泉や露天風呂・大浴場があるため、客室に内風呂やシャワーなどが設置されていなかったり、洗面所やトイレなどが共用な事も多いのでこちらもプライバシーが気になる方にはデメリットになるでしょう。
まとめ
ホテルと旅館の数やメリット・デメリット等をご紹介させて頂きました。
近年では訪日外国人が増加しており、世界に共通する外資系ホテルなどの開業が相次いでいます。
その影響もあり、ホテルが増加傾向にありますが、それぞれに違いやメリットやデメリットがありますよね。
宿泊業界での就職を目指す方は、是非今回の記事も参考にしてみて下さいね。
*
ホテルビズでは、全国の様々なホテルの正社員・契約社員・アルバイトの求人を取り扱っています。
また、正社員で転職を希望される方には、転職支援サービスも行っています。
求人をお探しの方・転職をご検討の方は「会員登録:無料」をご利用下さい。
2024.12.17