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ホテルでの仕事は、お客様の滞在を特別な時間に変える「おもてなし」のプロとして、多様なスキルが求められる職種。

接客やコミュニケーション力はもちろん、臨機応変な対応力、チームで動く協調性、そして細やかな気配りなどが身につくため、他業界でも評価が高くなります。

そのためホテル経験者は、業界を超えて幅広いフィールドで活躍できる可能性があります。

しかし、ホテル業界からの転職を考えたとき、本当に転職が上手くいくのか、不安を抱く方も多いでしょう。

そこで今回は、前回の「ホテルからの転職①|活かせるスキルと転職しやすい業界・職種」に続き、ホテルから転職するメリット・デメリット、そして失敗しないために押さえておきたいポイントを分かりやすく解説します。

 

 

ホテルから他業界へ転職するメリット

 

ホテル業界で培った接客力や調整力は、他業界でも高く評価されます。

転職によって新しいスキルやキャリアの幅を広げ、働き方や待遇を改善できる可能性も。

ここでは、ホテル経験者が他業界へ転職する際のメリットについて分かりやすく解説します。

 

 

①キャリアアップの選択肢が増える

ホテル業界から転職すると、これまでとは違う業務に挑戦でき、新しいビジネススキルや価値観を身につけるチャンスが広がります。

ハイレベルな対人スキル(ホスピタリティ・コミュニケーション能力)は、営業職・接客業・事務職・人事職などで、顧客や社内の人間関係を円滑にするスキルとして即戦力になります。

ホテルの仕事は、基本お客様からの要望に応える“受動的なサービス”が中心です。

フロント・客室・レストランなど部門ごとに役割が決まっており、担当外の業務に関わる機会は限られがちです。

そのため、転職後する事で、自ら考えて動く力(能動力)を伸ばせる環境に出会えたり、幅広い業務に挑戦できる可能性があります。

ホテルで培った接客力や調整力を活かせる職種も多く、キャリアの選択肢が広がります。 

 

 

②休日の変化など働き方の幅が広がる

ホテル業界では週休2日制が一般的ですが、土日祝に利用するお客様が多いため、休みは平日中心になりがちです。

さらに、ホテルは365日営業しているため固定の休みがなく、「休めない」というイメージを持つ方も少なくありません。

春休み・GW・夏休み・年末年始といった大型連休は繁忙期のため、休みが取りづらくなるのも実情です。

その点、土日休みやカレンダー通りの連休がある企業へ転職すれば、友人や家族と予定を合わせやすいなどメリットが大きく、生活リズムも整えやすくなります。

また、夜勤がない、シフトが不規則でない職種(事務職や一般的な営業職など)を選ぶことで、プライベートの時間が確保しやすくなり、生活リズムを整えられます。

このように、他業界では規則的な勤務体系を選びやすく、働き方の幅が広がメリットがあります。

 

 

③給与が上がる可能性がある

ホテル業界は、他の業界と比べて給与水準がやや低い傾向があります。

そのため、転職することで収入が上がるケースは少なくありません。

特に、頑張りや成果が直接給与に反映されやすい営業職や、IT業界など専門スキルを求められる職種などは成果やスキルに応じて給与が上がりやすく、ホテルで培った接客力や調整力が評価されれば、未経験でも年収アップを目指せる可能性があります。

また、働き方やキャリアの幅が広がることで、より高待遇の企業に挑戦できる機会が増えることもあるでしょう。

 

 

④専門的なスキルを磨ける可能性

ホテル業界から他業界へ転職すると、新しい専門スキルを習得しやすくなる点も大きなメリットです。

ITスキルやマーケティング、マネジメントなど、今後も需要が伸び続ける分野に挑戦することで、長期的に活かせる知識や技術を身につけられます。

外国籍の顧客対応で培った語学力は、外資系企業やグローバルに展開する企業で高く評価され、より専門的にスキルを伸ばせる可能性があります。

ホテルで培ったコミュニケーション力や調整力と組み合わせることで、より市場価値の高い人材へ成長する事が期待できます。

キャリアの幅を広げたい方にとって、新たなスキルを獲得できる環境は大きな魅力といえるでしょう。

 

 

肉体的な負担の軽減

ホテルの仕事は立ちっぱなしで動き回る時間が長く、体力的な負担が大きくなりがちです。

特にフロント、レストラン、客室など、常にお客様対応が続く環境では、長時間の勤務で疲れが蓄積しやすいという声も多くあります。

一方、転職によってデスクワーク中心の職種に移ると、身体への負担が大きく軽減されます。

体力面の不安が減るだけでなく、無理なく働き続けられる働き方は大きな変化でしょう。

 

 

  ホテルから転職するデメリット 

 

ホテルから他業界へ転職することで選択肢は広がりますが、その一方で気をつけるべきポイントやデメリットも存在します。

ホテル業界に限らずですが、今までの違う業界や職種へ転職する際に知っておきたい注意点を解説します。

 

 

①やりがいを感じにくくなる可能性

ホテルから他業界へ転職すると、「やりがいが減った」というギャップを感じてしまう方もいます。

ホテルは、お客様の要望にできる限り応え、一人ひとりに合わせたサービスを提供することで、感動を生み出すことが仕事の中心にあります。

旅行、記念日、結婚式、癒しの時間など、お客様がホテルを訪れる理由はさまざま。

ホテルで働くことで、お客様の大切な思い出づくりに直接関われることは、何にも代えがたい魅力です。

また、非日常的で洗練された空間で働くことから、自分自身も「この場にふさわしい人でありたい」と自然と成長意識が高まる人も多いでしょう。

さらに、フロント、ベル、コンシェルジュ、サービススタッフ、ウエディングプランナーなど、多様なプロフェッショナルと協力しながら働くこともホテルならではのやりがいです。

そのため、おもてなしで人に喜んでもらうことや、チームで協力して成果をつくることにやりがいを感じていた方ほど、転職直後は物足りなさを感じてしまう可能性があります。

 

 

②福利厚生の充実度が下がる

ホテル業界から他業界へ転職すると、福利厚生の充実度が下がる場合があります。

特に日系ホテルは、大手不動産会社や鉄道会社が運営していることも多く、安定性が高いのが特徴です。

また、一般的な社会保険や休暇制度に加え、資格手当や研修制度、社員寮、食事手当、グループ施設の割引など、独自の福利厚生が整っている企業も多くあります。

転職先によっては、こうした手厚い制度がなくなる可能性があるため、福利厚生の内容を事前に確認しておくことが大切です。

 

 

③給与が一時的に下がる可能性がある

異業種や異職種への転職は、基本的に「未経験」扱いになるため、スタート時の給与水準がホテルでのキャリア初期に戻るか、あるいは現在の年収よりも下がる可能性があります。

未経験の職種へ挑戦する場合、最初は給与レンジが低く設定されることが多いのです。

特に事務職やオフィスワークは求人数が少なく、派遣が多い傾向もあり、年収が下がるケースがあります。

 

 

④経験が活かせずストレスに感じる事も

ホテルで培った接客力やホスピタリティは大きな強みですが、転職先の業界や職種によっては、そのまま活かせないことがあります。

例えば、ITや会計、専門的な知識が求められる職場では、ホスピタリティだけでは成果として評価されにくい場合があります。

業界や職種によって評価されるポイントが異なることを理解しておくことで、転職後のギャップを減らし、スムーズに新しい環境に適応しやすくなります。

 

 

⑤役職がリセットされ1からのスタートとなる

ホテルで管理職やベテランとして働いていた方でも、他業界へ転職すると新人として一からのスタートになることがあります。

年下の先輩や上司から指導を受ける場面も多く、慣れない人間関係や新しい業務知識を覚える必要があり、ストレスに感じることもあるでしょう。

さらに、これまでとは全く異なる業務や専門知識が求められる場合は、学び直しが必要になり、慣れるまで負担を感じる方も少なくありません。

また、ホテルで積んだキャリアや役職は他業界では評価されず、ポジションが下がることもあるため、転職前にその点を理解しておくことが大切です。

 

 

 ホテルから他業界へ転職する際のポイント 

 

ホテル業界から未経験の業界・仕事への転職が成功しても、入社後に「やっぱり違った...」と感じる事もなくはありません。 

給与や福利厚生、役職や業務内容の違い、スキルの活かし方など、事前に理解しておくことで、ギャップを減らしスムーズに新しい環境に適応できます。

ここでは転職する際に気をつける事・成功させるためのポイントを3つお伝えします。

 

 

①研修・教育体制が整っている企業を選ぶ

中途採用で他業界・他職種へ転職する場合、ホテル業界での経験だけでは通用しないこともあります。

そのため、研修制度や教育体制がしっかり整っている企業を選ぶことが大切。

研修やサポート体制が整っている企業では、求人票にその内容が明記されていることが多く、入社後も安心して仕事を学べます。

逆に、制度が不十分で十分な指導を受けられず、いきなり業務を任される環境では、長く働き続けるのが難しくなる可能性があります。

企業選びの際には、事前に研修や教育体制の有無を確認しておくことが重要です。

 

 

②最低限のPCスキルや知識をつけておく

同じサービス業界や、PCスキルをあまり必要としない業界・職種への転職であれば問題は少ないですが、営業職や事務職などではPCスキルが必須となります。

ホテル業界でもある程度PCを使用する機会はありますが、業務の多くがアナログで行われるため、一般企業と比べると操作経験は限られがちです。

そのため、転職をスムーズに進めるためには、PCスクールなどで基本操作を身につけておくことが有効です。

また、転職先の業界について事前に知識をつけておくことも重要です。

未経験の業界では、事前理解が不十分だと入社後にミスマッチが生じ、長続きせずに再度転職することになりかねません。

業界研究をしっかり行い、自分に合った職場を見極めることが、転職成功のポイントです。

 

 

③転職エージェントを利用する

ホテル業界から未経験の業界や職種への転職を考えている方には、転職エージェントの利用がおすすめ。

転職エージェントとは、求職者と企業をマッチングするサービスで、業界や企業に詳しいプロのアドバイザーが履歴書や職務経歴書の作成、面接対策、スキルや適性に合った求人紹介などをサポートしてくれます。

求人サイトやハローワークでは分かりにくい企業情報も教えてもらえるほか、一般公開されていない非公開求人や、未経験でも応募可能な求人を紹介してもらえる場合もあります。

さらに、面接日程の調整や条件交渉、内定後のフォローなど、転職活動全般を支援してくれる点も大きなメリット。

未経験業界への転職では業界研究や職種研究、志望動機や自己PRの準備も欠かせません。

転職のプロにサポートしてもらうことで、スムーズに転職活動を進められます。

また、同じホテル業界への転職を考える場合は、ホテル専門のエージェントを利用すると、業界を熟知したスタッフが自分に合った求人や非公開求人を紹介してくれます。

 

 

       まとめ       

 

ホテル業界での仕事は、お客様の滞在を特別な時間に変える「おもてなし」のプロとして、多様なスキルが求められる職種です。

接客やコミュニケーション力、臨機応変な対応力、チームで働く協調性や細やかな気配りなどは、他業界でも高く評価されます。

そのため、ホテル経験者は営業、事務、教育、人材などさまざまなフィールドで活躍できます。

一方で、転職先では給与や福利厚生、役職、業務内容の違いからギャップを感じることもあります。

メリットとしては、キャリアやスキルの幅が広がり、土日休みや規則的な勤務、給与アップの可能性、専門スキルの習得、体力的負担の軽減などが挙げられます。

デメリットとしては、やりがいを感じにくくなる、福利厚生や給与が下がる場合、経験が活かせずストレスになる、役職がリセットされるなどがあります。

転職を成功させるには、研修や教育体制が整った企業を選び、最低限のPCスキルや業界知識を身につけ、転職エージェントを活用して業界研究や面接対策を行うことが重要です。

これにより、未経験業界への転職でもスムーズに新しい環境に適応できるでしょう。

 

 

 

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2025.11.18