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日本の宿泊施設は、主に「旅館」「ホテル」「民宿」の3つに分けられており、それぞれに魅力があります。

ホテルは外国から取り入れた宿泊施設であるのに対して、旅館は日本独自の宿泊施設となっています。

今回は、旅館が多い都道府県、また旅館の数や推移など「旅館」に関してお伝えしていきます。

 

 

 

 日本の旅館の数はどの位? 

 

厚生労働省の「衛生行政報告」によると、2022年度の日本の「ホテル・旅館」の軒数は下記の数字となっていました。
 

<ホテル・旅館の合計数>
 5万321軒

<客室数の合計数>
 177万752室

 

平成29年12月15日に公布された旅館業法の法改正により、「旅館営業」「ホテル営業」の営業種別が統合し「旅館・ホテル営業」となりました。

そのため別々での数字は把握できず、旅館とホテルの合計の数字となっています。

旅館業法の改正が施行される前の2017年は、「ホテル営業」と「旅館営業」が分かれていたため、下記では2018年10月発表の「衛生行政報告書」による、日本のホテルの数と旅館の数をお伝えしていきます。

 

 

日本の旅館の数(2017年)

 

①3万8千622軒
※前年度より−867軒

②客室数:68万8,342室
※前年度より−3,620室

10年前の2007年度と比較すると、軒数は−1万3,673軒。
26.1%減となっています。
 

 

日本のホテルの数(2017年)

 

①1万402軒
※前年度より+301軒


②客室数:90万7,500室
※前年度より+3万7,690室


10年前の2007年度と比較すると、軒数は+960軒。
10.2%増となっています。

 

おおよそですが、ホテルは1万軒強・旅館は4万軒弱。
ホテルは年々増加していますが、旅館は年々減少しています。
ホテルの数は旅館の数より少ないものの、1施設あたりの客室数が多くなっています。

 

下記でランキングをご紹介していきますが、前述したように、現在では別々での数字は把握できません。

そのため、旅館数ランキングに関しては2017年時点での数字、旅館数・ホテル数合計ランキングに関しては2022年の数字となっています。
 (参考:厚生労働省 2022年度 旅館・ホテル営業の施設数・客室数及び簡易宿所の施設数 / 国土交通省 観光庁

 

全国の旅館数ランキング・2017年


1位  :静岡県 :2624軒
2位  :北海道 :2195軒
3位  :長野県 :2168軒
4位  :新潟県 :1846軒
5位  :福島県 :1317軒
6位  :東京都 :1306軒
7位  :三重県 :1295軒
8位  :栃木県 :1250軒
9位  :山梨県 :1213軒
10位:千葉県 :1138軒
11位:兵庫県 :1091軒
12位:熊本県 :1080軒
13位:神奈川県:1003軒
14位:大分県 :987軒
15位:群馬県 :970軒
16位:岐阜県 :923軒
17位:福井県 :911軒
18位:愛知県 :874軒
19位:鹿児島 :856軒
20位:大阪府 :732軒

温泉地が多い県が軒数上位になっています。

 

全国のホテル旅館数ランキング・2022年

 

1位  :東京都 :3774軒
2位  :沖縄県 :3023軒
3位  :北海道 :2942軒
4位  :静岡県 :2571軒
5位  :長野県 :2557軒
6位  :新潟県 :1952軒
7位  :大阪府 :1572軒
8位  :福島県 :1438軒
9位  :兵庫県 :1433軒
10位:栃木県 :1398軒
11位:山梨県 :1330軒
12位:神奈川県:1299軒
13位:三重県 :1284軒
14位:千葉県 :1234軒
15位:愛知県 :1214軒
16位:福岡県 :1157軒
17位:群馬県 :1144軒
18位:大分県 :1018軒
19位:熊本県 :998軒
20位:京都府 :978軒

 

軒数上位は、主要都市や、温泉・スキーなどのレジャー施設がある観光客が多いエリアになっています。

 

 

 旅館・ホテルの数の推移 

 

現在の日本では、コロナ禍の水際対策が緩和されて以降、多くの外国人が日本を訪れるようになり、インバウンド需要の見込みと日本人の富裕層も増加傾向などの理由から外資系ホテルの開業が相次いでいます。

その結果、旅館の数も減ってきている現状があります。

ここでは旅館の数の現状や推移についてご紹介していきます。

 

日本の宿泊業の現状

 

2023年以降の日本での外資系ホテルの出店は、全国で8割超えとなっており、2023年〜2024年の2年間で日本国内での高級外資系ホテルブランドの開業予定は30施設に及んでいます。

1泊5万円前後の宿泊料がかかる外資系ラグジュアリーホテルも日本全国で続々と誕生しています。

また、東京・京都・大阪といった都心部だけでなく、地方でも積極的に高級ホテルが続々と開業。

国際的な知名度や有名な最高級ホテルがあれば、安心して訪日できるという富裕層を含めた外国人観光客が増える目的もあるでしょう。

旅館はこういったホテルに比べて、まだまだ世界共通のサービスに追いついていないという現状があります。

Wi-Fiの環境設備やホームページの多言語化対応、クレジットカード対応などが小規模な旅館ほど整備ができていないため、訪日外国人が利用しにくいという現状もあるのかもしれません。

 

 

旅館・ホテルの数の推移

 

平成30年の日本の宿泊施設数は、82,150施設となっています。

 

*旅館  :38,622 
*ホテル :10,402 
*簡易宿所:32,451
*下宿  :675

 

<平成26年〜平成30年の旅館数の増減>

平成26年:43,363軒

平成30年:38,622軒 = -11%

 

<平成26年〜平成30年のホテル数の増減>

 平成26年:9,809軒

平成30年:10,402軒 = +6% 

(参考:国土交通省 観光庁

 

 

数字を見ても分かるように、旅館の数は年々減り続けてる一方で、ホテルは年々増加傾向にあります。

 

 

     まとめ      

 

日本の伝統的な文化を継承している旅館ですが、過去の数字を見ても、ホテル営業が増加傾向にあるのに対し旅館営業は減少し続けています。

宿泊業界の多様化により外資系ホテルやビジネスホテルの開業が相次いでいる事、旅館のサービスが時代の変化に追いついていないなどが主な理由となっています。

一方で、行き届いた手厚いおもてなしや細やかな気配りを受ける事ができる旅館。

人と人のコミュニケーションを大切にした、人の手による温かみのあるサービスを受ける事ができる点は旅館の大きなメリットです。

今後も、訪日外国人の増加や日本人のライフスタイルの変化などから、ホテルが様々な形で数を増やしていく可能性があります。

しかし、現在の日本では、多彩な宿泊施設が展開されており、それぞれの施設に特徴や魅力があり色々な楽しみ方ができます。

これから宿泊業界で働きたいという方は、今回ご紹介した内容も是非参考にしてみて下さいね。

 

 


 

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2024.12.17