
前のコラムでもご紹介したように、近年の宿泊業界は、外資系ホテルの相次ぐ開業などで競争が激化しており、良いサービスを提供するだけでは生き残りが難しくなってきています。
「このホテルがよい」と思ってもらえるよう効果的な戦略を練っていくのが、マーケティングのお仕事。
ホテルの運営(集客)に欠かせない重要な仕事であり、将来的にマーケティングに携わりたいという方も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、ホテルのマーケティングのやりがいや必要なスキルについてご紹介します。
・ホテルのマーケティングの仕事内容に関しては→こちら
マーケティングの仕事のやりがい
ホテルのマーケティングは、ホテルの売上を左右する責任が大きな仕事になりますが、その分やりがいも大きくなります。
ここではマーケティングの仕事のやりがいを6つご紹介します。
①クリエイティビティアイディアの発揮
マーケティング部門は、企画したイベントやプロジェクトの全体を指揮するため、そのイベントに携わる様々なプロフェッショナルと一緒に仕事を進めていきます。
イベントやキャンペーンの企画・実行には、創造力・アイディアが欠かせません。
自分の企画力で無事成功させる事ができた時には、ホテルのブランド力やイメージ・売上アップに貢献できます。
新しいアイデアやセンスで、自社のホテルの将来を、より良い方向へ導いくやりがいや達成感は非常に大きなものでしょう。
②お客様に喜んでもらえる
ターゲット市場や競合他社の動向、トレンドや顧客のニーズなどの市場調査、ホテルの立地や顧客の傾向・分析などを行った上でフェアやプランの企画を計画するマーケティングのお仕事。
お客様の思いなども汲み取り、各部門のプロフェッショナルたちと一緒にイベントなどを成功に導いていきます。
年間を通して様々な季節ごとのイベントなどを企画し、子供〜ご年配の方まで幅広い層のお客様に楽しんでもらう企画の考案を任されます。
自分の企画が形となり、多くのお客様に喜んでもらえた時には大きなやりがいを感じる事ができるでしょう。
③成果が数字で分かる
マーケティングの仕事は、成果を実感しやすい仕事でもあります。
市場調査・分析→企画戦略→成果→分析というのが大きな仕事の流れです。
自分の立てた企画やイベントやキャンペーンによって、どれだけ集客できて売上が増加したかが数字としてすぐ分かります。
成果が出ていれば大きな手応えややりがいを感じられるでしょう。
④様々なスキルを習得できる
市場調査や分析・企画実行だけでなく、広告関連やWEB関連の仕事に携わる事も多くなります。
そのため、様々なスキルや知識を得る事ができます。
⑤チームで達成する喜びを感じられる
マーケティングの仕事は1人で完結するという事はなく、パートナー企業や当日実際に現場で働いてくれるスタッフと進めていくため、外部企業や他の部署との連携も重要です。
チームで協力し合いながら自分の企画が無事成功した時には、大きな充実感や達成感が得られるでしょう。
⑥国際的な視点を身につけられる
経済政策の中で「観光立国」としての推進計画を積極的に進めており、様々なプロモーション活動を行っています。
その1つであり、近年ホテル業界の一般宴会で注目されているMICE。
大きな金額が動きホテルにとっては非常に大きな売り上げとなるため、世界の国や地域がMICEの誘致や開催に積極的に取り組んでいます。
国際的な顧客をターゲットにする事もあるため、グローバルなビジネススキルが身につくのもやりがいの1つです。
マーケティングの仕事に求められるスキル
求められるスキルをご紹介していきます。
①ホスピタリティ
何より大切なのが、ホテルマンとしてのホスピタリティです。
サービス業界の最高峰とも言われているホテルのお仕事。ホテルでのお仕事には、表に立つ人とそうでない人がいますが、共通しているのはお客様に喜んでもらうために業務を遂行する事。
お客様へのおもてなしの心が1番大切になります。
お客様のニーズや気持ちを察し、「どうすれば喜んでもらえるか」という視点で仕事を進めていく事が重要になります。
②分析力・問題解決能力
マーケティングは、市場のトレンドや顧客のニーズ・自社の課題を緻密に分析し、そこからインサイトを得て企画を立て実践、その後に結果の分析といった仕事がメインになります。
企画を成功させるためには、調査スキル・分析力・発想力・課題を解決する能力が必要となります。
③戦略的思考・粘り強い精神力
ホテルのブランディングは直ぐに結果が出なかったり、自分の企画が成功しないといった事もあります。
長期的な視点でマーケティング戦略を行ったり、競合他社の動向を分析したりと、試行錯誤しながらより良い戦略を練っていかなければなりません。
そのため粘り強い精神力や、実行する能力が求められます。
④タスク管理スキル
市場調査・分析・企画・プレリリース・企画の分析・WEBの管理など沢山のタスクをこなす必要があるマーケティングの仕事。
複数の企画を同時に進行する事もあるため、計画立案やスケジュール管理能力も重要になります。
また、限られた予算内で企画を実施しなければならないため、予算管理スキルなども必要となります。
⑤コミュニケーション能力
マーケティングの仕事は、広告代理店やマスコミなど様々な外部の人と接する事や、社内の他部門のスタッフと関わる事も多くなります。
マーケティングプランやイベントなどのアイデアを、他の部署や経営陣に効果的に伝える能力、顧客・メディアなどの外部企業と円滑に話を進めていける能力などが求められます。
プロジェクトとは、1人で成功させる事はできず社内の各部署との連携も欠かせません。
料飲部門・宴会部門など、多くのプロフェッショナルが携わり、お互いに協力し合ってより多くの価値を提供していきます。
内外どちらの仕事にも、様々な立場の人と良好な関係を築いていける高いコミュニケーション能力が必要となります。
⑥リーダーシップ・協調性
社内の部門や他企業を超えたプロフェッショナルで1つのプロジェクトを作り上げていくので、リーダーシップ・協調性・チームワーク力などが必要となります。
⑦語学力・国際的な視点
近年のホテル業界では、訪日外国人も増え、海外からのお客様を迎える機会も増えています。
前で説明した通り、国際会議などで海外の顧客をターゲットにする事もあるため、海外の顧客と直接やりとりできる語学力や国際的な視点があると、より有利になるでしょう。
特に、高級ホテル・外資系ホテル・都心部・空港の近く・観光地などのホテルでは語学力は必須となる事も。
⑧ITスキル
近年では業務の効率化により企業のIT化も進んでいます。
業務をするにあたり、クラウドの共有システムの利用・オンラインでの対応・などPCを使っての仕事が殆ど。
エクセルの知識・ウェブサイトの管理・簡単なHTML/CSSの知識・広告管理ツールの使用経験、検索エンジンマーケティングの基本的な知識、SNSを効果的に活用するスキル、データ解析スキルなどがあるとより効率よく業務を進めていけるでしょう。
まとめ
ホテルの営業部門・マーケティングのお仕事についてご紹介させて頂きました。
ホテルのマーケティング部門は、単なる「宣伝」ではなく、ブランド価値を高め、顧客に選ばれるホテルづくりを支える重要な役割を担っています。
市場調査からプランの企画、PR活動まで幅広い業務に関わりながら、ホテルの魅力を発信していく仕事です。
競争が激化するホテル業界において、マーケティング部門の役割はますます重要になっています。
ホテルの売り上げやブランドのイメージ向上のために尽力し、多くの人に楽しい思い出や感動を提供できる大変やりがいのある仕事です。
マーケティング部門で働くには、現場でしっかりと経験を積む事が大切です。
マーケティングのスキルと現場での経験を活かせば、大きなやりがいを感じられるでしょう。
キャリア形成の1つとして是非参考にしてみて下さい。
2025.06.20