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美味しいスイーツで、特別な時間を演出するパティシエ。

活躍できる場所は様々で、街のパティスリーでケーキや焼き菓子を作る働き方もあれば、レストランでコース料理を彩るデザートを担当する働き方もあります。

そしてもう一つ、多くの人に人気なのがホテルで働くパティシエです。

今回は、ホテルパティシエの具体的な仕事内容や担当する業務、ホテルで働くメリット、などをわかりやすく解説します。

ホテルパティシエの仕事に興味がある方、これからパティシエを目指す方にとって、キャリアを考える上で役立つ情報をまとめています。

ぜひ参考にしてみてください。

・ホテルパティシエの給料、勤務形態、やりがい、パティシエになるためのステップは→こちら

 

 

 ホテルパティシエの仕事内容① 

 

ホテルのパティシエは、主に調理部門の「ペストリー部門」に所属します。

ホテルによって異なりますが、その中で下記の部門に分かれる事が多くなります。

それぞれの仕事内容を見ていきましょう。

 

 

①レストラン・カフェ

ホテル内のレストランやカフェでは、多彩なシーンで提供されるデザートをパティシエが手がけます。

レストランではコース料理の締めくくりとなるデザートや、ビュッフェで並ぶスイーツ、アフタヌーンティーに添える繊細なスイーツなど、幅広いメニューを担当。

「アシェットデセール」と呼ばれる皿盛りデザートの制作が中心ですが、店舗によっては仕込みや調理補助に携わることもあります。

また、誕生日や記念日の特別プラン向けにメッセージプレートを作成するなど、ゲストの思い出づくりに関わる機会も豊富です。

カフェやロビーラウンジでは、ケーキやアイスクリーム、季節のデザートなど、よりカジュアルに楽しめるスイーツを提供。

ホテルならではの高品質な素材や魅力的な演出に触れながら、多様なスイーツづくりの技術を磨くことができます。

 

 

②ペストリーショップ・外販

ホテル内のペストリーショップでは、ケーキや焼き菓子、季節限定スイーツ、ギフト商品など幅広い洋菓子を販売しています。

品質への要求が高く、味だけでなく見た目や包装など細部にまでこだわりが求められます。

ホテルによっては自社ブランドのケーキや焼き菓子を百貨店などで販売する事も。

定番商品の安定した製造に加え、新作スイーツの開発やイベント・季節フェアに合わせた限定商品の企画にも携わることがあります。

また、店頭の売れ行きや顧客層に合わせた商品ラインナップの調整など、マーケティング視点が求められるのも特徴の1つ。

ホテルブランドの価値を支える重要なポジションであり、技術の幅を広げながら、菓子づくりの魅力を直接お客様へ届けることができます。

  

  

③結婚式

ウエディングケーキ部門では、新郎新婦の希望に合わせたオリジナルケーキの制作やコース料理のデザートを担当します。

結婚式のテーマや会場装飾に合わせてデザインを提案し、世界に一つだけのケーキを形にしていくクリエイティブな仕事です。

フレッシュケーキはもちろん、シュガーアートやアメ細工・チョコレート細工・マジパンなど高度な装飾技術が求められ、パティシエとしての表現力と技術力を大きく伸ばすことができます。

挙式の進行に合わせて仕上げのタイミングを調整するなど、ブライダルならではの細かな配慮も必要です。

完成したケーキが披露宴で注目され、新郎新婦やゲストに喜んでもらえる瞬間は大きな達成感につながります。

特別な一日を彩る、ホテルならではのやりがいを感じられるでしょう。

  

 

④宴会

ホテルの宴会部門では、結婚披露宴以外に、企業パーティー・学会・周年記念など、多種多様な大規模イベントが行われます。

会食でのコース料理のデザートや立食パーティで提供するデザートの製造を担当。

立食パーティ等では切り分けるサービスや商品の補充などでお客様の前に出る事もあります。

宴会部門では、数百名規模のケーキやスイーツプレートを短時間で大量に仕上げるため、正確さとスピード、そして安定した品質管理が求められます。

ブッフェ形式のイベントでは、華やかなプチガトーやグラスデザートなど、見た目の美しさと提供時の状態を保つ工夫も必要。

イベントのテーマに合わせたスイーツの企画や演出に携わることもあり、技術だけでなく創造性も発揮できます。

厨房スタッフやサービスチームと連携し、時間通りにベストな状態で提供するための段取り力が磨かれます。

大規模宴会ならではの迫力と達成感を味わえるでしょう。

 

 

 ホテルパティシエの仕事内容② 

 

ホテルにもよりますが、基本的に大量生産になるため、パティシエの仕事は工程ごとにいくつかの部門に分かれていることが多くなります。

入社後は部門ごとに1年〜数年ほど担当しながら経験を積み、最終的にはすべての工程を一通りこなせるようにステップアップしていきます。

 

 

①仕込み

仕込みは、ケーキやデザートを作るための土台を整える重要な工程。

フルーツのカットやシロップ煮、クリームやソース類の準備、トッピング素材の下処理など、さまざまなパーツを整えておくことで、後の製造工程がスムーズに進みます。

特にホテルでは提供数が多いため、一度に大量の仕込みを行うことが一般的で、正確さとスピードの両方が求められます。

仕込みの段階で品質が決まると言っても過言ではなく、素材の状態を見極めながら効率よく準備を進めることが大切。

基礎的な業務が多いものの、パティシエとしての確かな土台を築ける重要なポジションです。

 

 

②生地作り

 生地作りは、ホテルパティシエの中でも特に繊細さと技術力が求められる重要な工程です。

メレンゲを立てたり、材料を正確に計量して混ぜ合わせることで、生地の状態を最適に整えていきます。

スポンジケーキやタルト生地、シュー生地など扱う種類は多く、わずかな配合の違いでも仕上がりが変わるため、細かな調整力が必要。

また、ホテルでは大量生産が求められるため、レシピ通りに作りながらも、どのロットでも均一な品質になるよう安定した技術が欠かせません。

場合によっては機械を使用し、大きなスケールで生地を仕込むこともあります。

 

 

③オーブン(焼成)

オーブンは、パウンドケーキやクッキー、マドレーヌなどの焼き菓子を仕上げる工程で、パティシエの技術が最も表れる重要なポジション。

仕込みが終わった生地を適切な温度と時間で焼き上げる必要があり、素材や形状によって焼成条件が変わるため、細かな調整力と観察力が欠かせません。

焼き加減の見極めひとつで仕上がりが大きく変わるため、温度管理や時間調整には常に神経を使います。

特にホテルでは大量生産が求められるため、どの商品も均一に、同じクオリティで仕上げる技術が求められます。

そのため、この工程は経験豊富なパティシエが担当することも多く、重要な役割を担っています。 

 

 

④仕上げ

仕上げ担当は、生地部門で作られたスポンジやタルトにムースやカスタードを組み合わせ、最終的にケーキやデザートを完成させる重要な工程を任されます。

ショップに並ぶ商品やレストランで提供されるデザートが、お客様に喜んでもらえる一品となるよう、フルーツやチョコレートでの飾り付け、ナッペ作業、グラスデザートの組み立てなど、細部にまで気を配りながら仕上げます。

担当する部門によって作業内容は異なりますが、どの商品も均一に仕上げることが求められるため、集中力と正確性が欠かせません。

見た目の美しさと味のバランスを両立させる、ホテルパティシエにとってやりがいの大きい工程です。

 

 

⑤アシェットデセール

アシェットデセール(皿盛りデザート)は、ホテル内レストランで提供される一皿デザートを仕上げる重要な役割があります。

オーダーに応じてその場で盛り付けを行い、温かいスイーツと冷たいデザートを組み合わせるなど、繊細な調整が求められます。

仕上げの段階では、フルーツやソース、飾り付けを施すことで、見た目の美しさと味のバランスを両立させなければなりません。

大量生産では味わえない、臨場感と達成感を感じられる、ホテルパティシエならではのやりがいある業務です。

 

 

   ホテルで働くメリット   

 

ホテルで働くパティシエは、多彩なスイーツづくりに携われるだけでなく、安定した環境でスキルを磨く事ができます。

幅広い経験を積みながらキャリアの選択肢を広げたい方や、働きやすさも重視したい方にとって大きな魅力でしょう。

ここではパティシエとしてホテルで働くメリットをご紹介していきます。

 

 

①様々なジャンルのスイーツを担当できる

ホテルでは、レストラン・カフェ・宴会場・結婚式場・ショップなど多様な部門があり、デザートプレートやアシェットデセール・ビュッフェスイーツ・ウエディングケーキ・ギフト商品など、幅広いジャンルのスイーツ制作に携わることができます。

季節イベントも多く、そのたびに新しいデザートを開発・提供する機会があるため、常に発想力や技術を磨ける環境です。

また、宴会や結婚式など大人数の提供が多いため、大量製造やスピード、品質管理などの実務力も必要とされます。

部門ごとに求められるスキルや仕上げが異なるため、素材の扱い方、盛り付けの工夫、量産技術など、ホテルならではの幅広い知識と経験を身につけることができます。

 

 

料理人や他部署のスタッフと仕事ができる

ホテルの製菓部門はスタッフ数が比較的多く、パティシエ同士の連携・分業・コミュニケーションが重要になります。

個人の技術だけでなく、チームで動く力が育つ環境です。

また、レストランのシェフ・ブライダルプランナー・サービススタッフなど、多職種と関わりながらスイーツを作り上げる事ができるのもホテルならでは。

特にウエディングケーキを担当する際は、新郎新婦との打ち合わせを通じてデザインや演出を相談し、一緒に作り上げていくこともあります。

単にスイーツを作るだけでなく、料理全体の構成やサービスの流れを意識したチームワークを学ぶことができます。

多職種と協力して一つのサービスを完成させる経験は、ホテルならではのやりがいであり、パティシエとしての視野やスキルを広げる大きな機会となるでしょう。

 

 

③ブランド力のある環境でスキルを磨ける

知名度の高いホテルでは、高級食材を扱えるほか、著名シェフのもとで一流の技術を学べる環境が整っています。

そのため「ブランド力のある場所で修業したい」「レベルの高い現場で成長したい」という方に人気があります。

また、有名コンテストで受賞歴を持つパティシエが在籍しているケースも多く、日々の現場で刺激を受けながら学べる点も魅力です。

さらに、コンテストへの挑戦を積極的に支援する制度や風土があるホテルも多く、スキルアップを目指すパティシエにとって大きな成長機会となります。

このように、高いレベルの環境で働くことで技術力はもちろん、創造力や表現力も磨くことができます。

 

 

キャリアの幅が広がる

ホテルで経験を積むことで、将来のキャリアの幅が大きく広がる点も魅力です。

現場で総合的な製菓技術を磨くことで、シェフパティシエとしてチームを率いる道や、ウエディングケーキに特化した専門職として活躍する道が開けます。

また、ホテル内ショップでの商品開発に携わるチャンスもあり、企画力やクリエイティブな発想を活かした仕事にも挑戦できます。

さらに、幅広い経験をもとに独立し、パティスリーを開業することも。

このように、ホテルでの経験は技術力・発想力・マネジメント力をバランス良く伸ばせるため、将来の選択肢を広げたいパティシエにとって大きな強みになります。

 

 

⑤安定した雇用と充実した福利厚生

ホテルは大手企業が運営していることが多く、宿泊・料飲・宴会の複数部門で収益を確保できるため経営基盤が安定している特徴があります。

そのため、収入や福利厚生、勤務体制も比較的整っており、安心して働ける環境が期待できます。

例えば、社員割引・食事補助・社内施設の利用・ホテル優待など、ホテルならではの福利厚生が充実している事も多いです。

また、勤務体制は交代制のシフトで計画的に管理されることが多く、ワークライフバランスを保ちやすい点もメリット。

安定性と働きやすさの両方を重視したい方にとって、ホテルは魅力的な職場環境といえるでしょう。

 

      まとめ       

 

ホテルのパティシエについてご紹介しました。

ホテルは特別な日に訪れる場所でもあり、そこで働くパティシエは多くの人に幸せな時間を届ける役割を担います。

スイーツで心を癒し、ウェディングなど特別な瞬間を彩る経験を積みながら、安定した環境で幅広いキャリアを目指せる魅力ある仕事です。

スタッフ規模も大きく、料理人やサービス、ブライダルなど多職種と関わりながらチームで仕事を進めるため、コミュニケーション力や連携力も身につきます。

さらに大手企業が運営することが多く、福利厚生や勤務体制が整っており、安定した環境で働ける点も大きな魅力。

コンテストに挑戦しやすい風土を持つホテルも多く、成長意欲のあるパティシエに最適です。

技術を磨きながらキャリアの幅を広げたい方・将来独立したいという方にとって、ホテルは理想的な職場といえるでしょう。

 

 

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2025.11.20