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華やかな宴会を裏で支え、感動的な瞬間を料理で演出するのが、ホテルの宴会調理スタッフの仕お事。

ホテルの宴会部門では、主に結婚式やイベント・パーティなどのコース料理やビュッフェを担当します。

お客様の特別な日を彩るため、高い調理技術やおもてなしが必要となり、非常にやりがいのある仕事です。

「思い出に残る料理を提供したい」「調理の腕を磨きたい」という方にはぴったりの環境があるホテル。

しかし、実際のやりがいや大変な事がどんな事なのか分からないという方も多いと思います。

そこで今回は、ホテルの宴会部門で働くメリットや大変な事についてご紹介します。

 

 

 

ホテルの宴会調理の仕事内容

 

ホテルの調理部門は、主に宴会部門とレストラン部門になります。

宴会部門の調理は、宴会やイベント・パーティ・結婚式などで提供されるコース料理やビュッフェ等の調理全般を担当します。

コース料理が中心となっており、レストランの調理とは、料理の種類や調理の量などの違いがあります。

結婚式やパーティ・会議など、特別なイベントに対応するため、華やかな料理やテーマに合わせた料理を提供する事も。

宴会の開始時間に合わせ、全ての料理が順番通りに同時に提供できるよう調整する事が必要となり、サービススタッフとの連携も大切になります。

基本的にはフレンチがメインとなりますが、様々なイベントに対応できるよう、幅広い種類の料理を調理できる必要があります。

ホテルの宴会調理は、大人数のお客様に同時に料理を提供するため、分業制を採っています。

宴会シェフの下にホットセクションとコールドセクションがあり、ソースやスープ・メイン料理など温かいものは温かく、サラダやデザートなど冷たいものは冷たく最良のタイミングで提供できるよう努めます。

また、各セクションの中でも調理内容が分担されています。

詳しくは→こちら

 

ホテルの宴会部門で働くメリット

 

前述したように、結婚式や企業のパーティーなど、ホテルで行われる宴会は、華やかで非日常的な空間です。

そんな特別な空間を料理で演出する宴会調理スタッフ。

まずは宴会調理の仕事のメリットをご紹介していきます。

 

①お客様に喜んでもらえる

 

調理スタッフの1番のやりがいは、なんと言っても自分の作った料理でお客様に喜んでもらえる事です。

宴会部門では、結婚式・パーティ・季節ごとのイベントなど特別な1日のために利用するお客様の調理を担当します。

お客様の特別な日を彩る料理を提供できるのは、他では味わえない特別な経験です。

料理を口にした瞬間のお客様の笑顔や、「美味しい」といった言葉が聞けると、自分のスキルや工夫が直接お客様の満足につながった事を実感でき、大きなやりがいを感じられるでしょう。

自分たちの料理で、お客様の特別な時間が幸せなひとときになる事は、宴会部門の調理ならではの大きなやりがい(メリット)です。

 

 

②腕を磨ける

 

ホテルの宴会部門で働くと、様々な技術を学べ腕を磨く事ができます。

ホテルはサービス業の最高峰とも言われており、単価やお客様の期待度も高いため、当然ながら料理の技術も求められます。

調理師全員で効率よく料理を仕上げ提供していくため、料理人としての腕を上げてく事や提供のスピードなどが身につきます。

また、基本的には各持ち場で調理を担当しているため、様々なセクションの調理を学ぶ事ができます。

結婚式や企業のパーティの他にも、MICEなどで多くの海外のお客様に振る舞われる料理を担当したり、季節ごとのイベントの料理に携わる事ができ、多種多様な料理に携われるのも大きなメリットでしょう。

 

 

③様々なキャリアパスの可能性

 

ホテルで経験を積むと、ホテル内で別の調理部門への異動や昇進・別のホテルへの転職・独立など、キャリアパスの可能性が広がります。

ホテルには、宴会調理の他にレストランの調理を担当する部門があり、和食・イタリアン・フレンチ・中華・鉄板焼きなど数多くの業態があります。

同じホテル内で他部門へ異動し経験を積む事もできます。

また、それぞれの部門に料理長がおり、その全ての部門を取りまとめている最高責任者が「総料理長」。

ホテルの調理部門のトップとなり、調理場の全責任を負うポジションです。

一般の調理スタッフから部門シェフ、総料理長などキャリアアップを目指せます。

特に総料理長となると、調理スタッフの人材配置や指導・管理などが重要な仕事となりますので、調理技術は勿論の事、マネジメント力やビジネス感覚なども求められます。

様々を役割をバランスよくこなさなければならないため、責任を伴う仕事といえますが、大きなやりがいやキャリアに繋がります。

このような実績は、将来的に転職をする際や将来的に独立してお店を持ちたいと考えている人にとって、非常に有利になるでしょう。

 

 

④チームワークの実感

 

宴会料理は一度に多くの方に提供するため、準備や段取りが重要です。

チーム一丸となって最高の料理を作り上げ、それをお客様に届ける事で、仲間との一体感や自分自身の成長も感じられるでしょう。

シティホテルには星を獲得しているレストランや有名店が入っている事も多く、著名な調理人が在籍している事もあります。

料飲部門に力を入れているホテルも多くあるため、スキルの高い料理人の元で調理技術を学び勉強になる機会もあるでしょう。

また、ホテルには、フレンチ・イタリアン・中華など様々なジャンルの料理人、そしてパティシエやソムリエ・サービススタッフなどがいます。

料飲に関わる知識やスキルを幅広く身につけられますし、様々なプロフェッショナルが働いているため、勉強になるのも大きな魅力の1つです。

これだけ沢山の異業種の方と出会え、間近で仕事を見る事ができる仕事は中々ないですよね。

 

 

⑤待遇面が充実

 

ホテルは、大手企業が多く、福利厚生や勤務体制名どの待遇面が安定しています。

高いサービス力が必要となる事や不規則な勤務があるなどの特徴から、一般的な福利厚生とは別にホテル業界ならではの福利厚生・待遇というのもあります。

一般的な福利厚生に加えて、「資格手当」「社員寮・社宅完備」「食事手当」「社員割引」「研修・講座・資格取得支援」などの手当がある企業が多くなっています。

基本的に早番・遅番などの交代制になっていたり、営業時間が決まっているため、残業が比較的少ない傾向にあります。

深夜手当や残業代・交通費・賞与がきちんと支払われたり、年間休日や有給などの福利厚生や勤務形態もしっかりしているホテルが多いため、ワークライフバランスが取りやすいです。

 

 

ホテルの宴会部門の大変な事 

 

続いてホテルの宴会部門ので大変な事についてもご紹介していきます。

 

 

①技術を身につけるのに時間がかかる事も

 

宴会調理は、前述したように分担しての業務が多くなります。

準備などの仕込み作業(単純作業)がメインになってしまったり、時には調理補助に入る事もあるため、「中々調理をさせてもらえない」と感じてしまう方も少なくありません。

1つの持ち場を長く担当する事もあるため、最初は色々な業務に携わる事が難しい事もあります。

しかし、1つづつ業務をこなしていく事で着実に知識や技術を身につけていく事ができます。

経験を積み、多くのお客様に喜んでもらえるようになれば、大きなやりがいを感じられるようになるでしょう。

 

②土日祝・連休などの休みは取りにくい

 

休日は月8~9日となりますが、結婚式の9割は土日祝日に行われますし、季節ごとのイベントなども週末に来館される事が多くなります。

そのため、休みは平日のシフト制が多くなります。

また、ゴールデンウィークや夏休み、お盆や年末年始など世間が長期的な休みの時期は、ホテルは繁忙期になるのでスタッフが長期休暇を取るのは難しくなります。

年間の休日としては産休育休や年次有給休暇、慶弔休暇が取れます。

 

 

③長時間勤務となる事も

 

メリットでご紹介したように、基本的には、早番・遅番などの交代制になっています。

また、結婚式や宴会は時間が決まっているため、深夜まで残業になるという事は殆どありません。

深夜手当や残業代もきちんと支払われる事が多いでしょう。

ただし、週末は結婚式が必ずありますし繁忙期には1日に何件も行われるため、非常に忙しくなります。

勤務時間が変動し、長時間勤務となるケースもあるでしょう。

 

④給料が低い傾向

 

ホテルスタッフの給料は、他の業界と比較しても年収が低い傾向にあります。

厚生労働省の令和5年賃金構造基本統計調査を確認すると、宿泊・飲食サービス業の平均月収は、25万9千円となっており、全産業(15産業)の中で最低水準となっています。

ただし、あくまで平均値であり、就業する会社・地域・職種・年齢・スキルによっても大きく異なります。

3年・5年と長く働き、スキルやキャリアをつけていく事で給料を上げていく事ができますので、自分のキャリアプランと照らし合わせながら仕事について考える事が大切です。

ホテルの調理師の平均年収は、おおよそ300万~450万円程、シェフになると388~480万円程となります。

本格的な料理を出していたり、ミシュランを獲得している店舗であれば、料理長クラスになると800万~1000万円のケースもあります。

また、ホテルは資格取得支援制度や資格手当などが充実していたり、福利厚生が整っている傾向にあるため残業手当やボーナスが支給される企業も多いでしょう。

 

     まとめ      

 

ホテルの宴会部門の仕事のメリットや大変な事をご紹介させて頂きました。

宴会部門では、大量調理や多種多様な料理を学び、スキルアップやキャリアアップできる環境があります。

また、特別な日の調理を担当する事から、チームワークで1つのものを作り上げていく達成感や、多くの人に料理を提供し、喜んでもらえるやりがいを感じる事もできます。

一方で、立ち仕事や重い調理器具・食材の持ち運びなど体力を必要とする仕事です。

また、宴会部門は週末に業務が集中するため、土日祝日の休みは難しく非常に忙しくなりますし、繁忙期になると長時間労働になる事も。

大変な面もありますが、ホテルの調理スタッフは、個人の飲食店やチェーンの飲食店に比べ、高い技術や様々な調理を学べたり異なる職種のスタッフと仕事をする事ができます。

ホテルでの経験は、将来的に料理長や他の飲食部門の責任者など、様々なキャリアパスを築く基盤となりますので、将来調理の仕事をしていきたいという方は是非チャレンジしてみましょう。

 

2025.04.21