
ホテルでは、イベントや結婚式などが日々行われており、宴会部門の調理スタッフがチームとして力を合わせ、美しく彩られた料理の数々を生み出しています。
コース料理やビュッフェなどがメインとなりますが、調理スタッフの仕事は単なる料理作りにとどまらず、特別な瞬間を演出する重要な役割を担っています。
このように責任感溢れる職場で活躍する調理スタッフには、どのようなキャリアプランがあるのでしょうか。
今回は、ホテルの宴会部門の調理スタッフのキャリアプランについてお伝えします。
これからホテルで調理の仕事をしたいという方は是非参考にしてみて下さいね。
ホテルの宴会部門の調理の仕事内容
ホテルの宴会部門の調理は、主に宴会やイベント・パーティ・結婚式などで提供されるコース料理やビュッフェ等の調理全般を担当します。
レストランでの調理とは違い、多い時は1回の宴会で100名を超える事もあり、大人数向けの料理を短時間で提供する事が求められます。
一度に多くの料理を提供する事や、事前にメニューが決まっている事などから分業制を採っています。
基本的にはフレンチが多くなりますが、結婚式・会議・パーティー・ビュッフェなど、様々なケースに対応できるよう、和食・洋食・中華など、幅広い種類の料理を調理できる必要があります。
・詳しい仕事内容は→こちら
宴会部門の調理スタッフのキャリアプラン
ホテルの調理部門のキャリアプラン は下記のようになっています。
宴会部門に配属になった場合は、前にご紹介したように各セクションで経験を積み、最終的に総料理長を目指していくようになります。
<宴会部門の組織図>
①コック
*ホットセクション
・ソーシエ
・ポワソニエ
・アントルメティエ
*コールドセクション
・ガテマンジャー
・ブッチャー
↓
②宴会シェフ
↓
③副料理長(スーシェフ)
↓
④総料理長(エグゼクティブシェフ)
①コック
まずは、調理補助やアシスタントとして、基本的な食材の知識や調理技術、ホテルでのキッチンの流れを学びます。
その他、調理スピードや衛生管理の基本を身につける事も重要となります。
②各セクションへ
ある程度、ホテルの調理の流れなどが分かってきたら前菜・メインなど各セクションに配属となり経験を積んでいきます。
宴会部門は、主に温かい料理を担当するホットセクションと、冷製料理を担当するコールドセクションに分かれており、各セクションで経験を積んでいきます。
*ホットセクション
・ソーシエ(ソース)
・ポワソニエ(魚料理)
・アントルメティエ(野菜・スープ・前菜)
*コールドセクション
・ガテマンジャー(サラダ・パテ等)
・ブッチャー(肉料理の下処理)
③セクションシェフ
各セクションで経験を積んだ後に、そのセクションのシェフとなります。
リーダーとしてスタッフへの指示出し・味や盛り付けの最終確認・料理を完成させるなどの役割を担います。
④宴会シェフ
セクションスタッフを経て、宴会部門全体のシェフとなります。
前述したように、レストランと違い1回に沢山の料理を提供するため、宴会シェフにはその管理が任されます。
調理技術は勿論の事、的確な指示をしながら正確に料理を作っていく事が求められ、マネジメント力が非常に重要になります。
レストランのように、当日のメニューを注文されるという事がないため、決まったコース料理の仕込みや決められたメニューを、シェフの指示の元順番に作っていきます。
チームで力を合わせて調理・提供する事が重要になりますので、宴会シェフは全体を統括しコントロールする事が重要な仕事の1つになります。
⑤副総料理長・スーシェフ
ホテルの調理部門の2番手として総料理長の下で厨房の指揮を取る役職になります。
「レストラン部門」と「宴会部門」の2つの部門をまとめているのが総料理長。
副料理長は、総料理長と共に、スムーズに料理を提供できるよう各部門への指示出しや管理、時間のコントロールなどを行う役目があります。
シェフ不在時には、責任者として顧客対応なども行います。
⑥総料理長(エグゼクティブシェフ)
ホテルの調理部門のトップとなり、調理場の全責任を負うポジションです。
総料理長は、自ら料理をする事は少なく、衛生管理・調理スタッフの人員配置や教育・メニュー開発・原価計算・数値管理・発注業務など様々な業務を任されます。
マネジメント力やビジネス感覚なども求められ、様々を役割をバランスよくこなさなければならないため、大きな責任を伴う仕事といえます。
「料飲部門」はホテルのイメージを左右する非常に重要な部門。
総責任者は、経営的視点が求められ、ビジネス全体の成功を支える重要な役割を担っています。
※総料理長以外の道は?
ホテルで経験を積み、技術や実績をつける事ができれば、様々なキャリアプランがあります。
今までの経験を活かし、違う業態の別のホテルへ転職しキャリアを積む事もできます。
国内のホテルだけでなく、海外のホテルへチャレンジする事も可能。
海外のホテルでシェフとして働く経験は、自分自身の成長にも繋がるでしょう。
②独立・企業
将来的に自分のお店を持つのが夢という方や、独立してフリーで仕事をしたいという方も多いでしょう。
ホテルで培った技術や経験を活かして、以下のような形で独立する人もいます。
・飲食店の開業
・フリーランスシェフ
出張シェフとして、家庭や個人のパーティの際に料理を提供。
・フードコーディネーター
企業や飲食店からの依頼を受け、食材の選定・メニュー開発を行います。
近年では、フードコーディネーターとしてSNSで考案したメニューなどを発信し、収入を得ている方も多くいます。
③調理関連職へ転職
調理の経験を活かして、別の職種へ転職する事も可能です。
・食品メーカーや外食企業のメニュー開発職
調理師の視点を活かし新商品開発などに携わる仕事。
食品メーカーであれば、スーパーやコンビニ向けに販売する新商品の開発・既存商品のリニューアルを行います。
・調理師専門学校の講師
ホテルのでの調理経験を活かし、次世代の調理師を育成する道も。
そして海外でも活躍したい場合は、語学力をつける事は必須です。
また独立を考える場合に重要となるのが、人脈などのネットワーク。
コミュニケーションをしっかり取る事でキャリアのチャンスを広げる事ができます。
ホテルの調理スタッフになるには
調理系の専門学校に通うと、知識や技術を習得できますし、無受験で調理師免許を取得する事ができるため、比較的スムーズに入社しやすくなります。
調理技術や知識、食に携わる上で重要な衛生管理やアレルギーなどの知識、また店舗経営などの知識に関しても学ぶ事ができます。
中途採用は即戦力を求められる事が多いので、何かしらの調理経験があると有利になります。
一人前の調理師になるまでにはある程度の期間が必要となるため、既に社会人経験を積んでいる人は、年齢の面を考えても学校に通うより未経験可能な求人へ応募し実力をつけていった方が早いでしょう。
また、ホテルや調理専門の転職エージェントを利用するのも方法の1つ。
業界に精通したコンサルタントがしっかり転職をサポートしてくれるで、転職の近道になるでしょう。
まとめ
ホテルでの調理経験は多様なキャリアの基盤となります。
しっかり経験を積めば、国内での独立や海外進出など様々なチャンスがある職種です。
ホテルでの経験は貴重な資産となるでしょう。
まずは、具体的な目標を描き、着実にキャリアを築いていく事が大切です。
洋食の調理の仕事がしたいという方は、今回のキャリアプランも参考にしてみて下さいね。
*
ホテルビズでは、全国の様々なホテルの正社員・契約社員・アルバイトの求人を取り扱っています。
また、正社員で転職を希望される方には、転職支援サービスも行っています。
求人をお探しの方・転職をご検討の方は「会員登録:無料」をご利用下さい。
2025.01.31