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ホテルには、複数のレストランがあり、宿泊のお客様だけでなく料理を楽しみに来館されるお客様も多くいます。

記念日ディナーや結婚式、国際的な会議など、ホテルは様々なお客様が集まる特別な場所。

おもてなしの最高峰とも言われているホテルにとって、その厨房で働く調理スタッフは、お客様の大切な時間を演出する重要な存在です。

ホテル調理の魅力は、レストラン・結婚式や宴会・宿泊客への朝食ビュッフェなど、シーンに合わせて幅広い経験を積める事。

さらに、和洋中から製菓まで多彩なジャンルに携われるため、調理技術の向上はもちろん、メニュー開発やマネジメントなど、キャリアの選択肢も広がります。

安定したホテルという経営基盤のもとで多様な経験を積める点も大きな魅力です。

そこで今回は、前回ご紹介したホテルの調理部門の仕事内容ややりがいに続き、必要なスキルや資格・なり方について詳しくご紹介します。

・給与や勤務形態に関しては→こちら

 

 

 

調理スタッフに求められるスキル 

 

ホテルの調理スタッフは、自分の技術やセンスを活かし、お客様に「感動」を届けられる仕事です。

ただ料理を作るだけではなく、求められるのは、調理の技術や知識に加えて、料理に対するセンスや味覚、探究心・向上心。

お客様に喜んでもらえる料理を常に考えられる方が向いており、特にホテルでは直接お客様と接する機会が少なくても、「ホスピタリティ精神」が欠かせません。

盛り付けや味わいへのこだわりはもちろん、細やかな気配りや常により良くしようとする姿勢が、料理の質を高めていきます。

さらに、臨機応変に対応できる力も必要。

アレルギー対応やお客様の様々な要望に応え、可能な範囲で最適な料理を提供できる事で、より高い顧客満足につながります。

調理の仕事は、開店前の仕込みや閉店後の片付け、発注業務などで長時間勤務となる事も。

厨房では立ち仕事が中心で、重い食材や調理器具を扱うことも多いため、体力も必須です。

大変な面もありますが、やりがいを感じながら成長できる環境が整っており、調理のプロとしてキャリアを積みたい方にぴったりです。

 

 

ホテルの調理スタッフに資格は必要?

 

調理スタッフになるために必須な資格はありませんが、以下の資格があると就職や転職する際に有利になる事があります。

 

<調理>
・調理師免許
・食品衛生責任者

<パティシエ>
・製菓衛生師免許
・菓子製造技能士

 

中途採用の場合は、応募資格に調理師免許を持っている事が条件になっている事が多いので、取得しておく事をおすすめします。

また、取得する事で調理や食に関して様々な知識がつくので就業してからも役に立つでしょう。

特に就職する際に有利になる事がある資格が以下の4つになります。

 

 

①調理師免許



国家資格であり、調理技術や衛生知識、食品学、栄養学が身についている事の証明となるもので信用度の高い資格です。

調理師免許がなくても採用される事はありますが、中途採用の場合は、「調理師免許」を持っている事が応募条件になっている事が多いので、取得しておく事をおすすめします。

和食調理人として働きたいのであれば、必ず取得しておきたい資格です。

取得する事で調理や食に関して様々な知識がつくので就業してからも役に立つでしょう。

<✔︎受験資格>

①各都道府県が指定している調理師の専門学校に1年以上通い卒業する事

②調理の実務経験2年
アルバイトやパートでも構いませんが、週4日以上、1日6時間以上と決まっています。

参考:『調理技術技能センター



②専門調理師・調理技能士

 

公益社団法人調理技術技能センターが実施。

専⾨調理師・調理技能⼠は、調理師免許よりも更に専門的な調理師の資格になります。

この資格の目的は、調理の技術・技能を⾼め調理師の資質向上を図る事です。

学科と実技の試験となっており、合格すると、厚⽣労働⼤⾂より「専⾨調理師・調理技能⼠」の称号が与えられ、調理師学校の教員資格を得る事ができます。

実技試験:日本料理・西洋料理・麺料理・中国料理・すし料理・給食用特殊料理の中から選択

 

<✔︎受験資格>

①実務経験のみ:8年以上

②厚生労働大臣の指定する調理師養成施設において1年以上調理に関する学科を修めた卒業者:実務経験6年

③職業能力開発促進法に基づき、調理に関し専門課程の高度職業訓練または普通課程の普通職業訓練修了者:実務経験7年
※いずれも調理師の免許を有していた期間3年以上

参考:『調理技術技能センター

 

 

③食品衛生責任者


食品の製造・調理・販売などが衛生的に行う場合に必要な資格であり、食品衛生責任者は、安全に食品を提供するために、正しい知識で食品の製造・加工・調理・販売において衛生管理を行う人の事を指します。

飲食店の営業や食品製造に必須の国家資格となっており、食品に携わる業務を行っている施設ごとに、必ず1人の配置が義務付けられています。

飲食店を開業する場合も、食品衛生責任者の配置は必須となっています。

 

<✔︎受験資格>

①不問:誰でも取得可能
・各自治体で開催される「1日食品衛生責任者養成講習」を受講しテストに合格すれば取得できます。
・飲食系の栄養士・調理師・製菓衛生師等の資格を持っていると、実務経験や講習を受けなくても食品衛生責任者になれます。

参考:『一般社団法人東京都食品衛生協会

 

 

④ふぐ調理師免許

 

高級食材のふぐは日本でも昔から親しまれており、和食店ではよく目にしますよね。

しかし、ふぐには、テトロドトキシンという猛毒が含まれているため、ふぐの種類・毒の位置などの知識を持ち、調理する技術を持ったふぐ調理師免許取得者しか調理ができません。

和食料理人はふぐを扱う事もあるので、取得しておくと就職の際に有利になるでしょう。

調理師免許のような国家資格ではなく、ふぐ条例等に基づき各都道府県にある自治体で行うので、地域によって受験資格・調理の範囲・難易度は異なります。

講習のみで認可される地域もあれば、調理師免許などの資格が必須の地域もあります。

 

<✔︎受験資格>

①調理師免許の取得と、ふぐ調理師の下で2年以上ふぐの取り扱いに従事した経験(東京都)
※都道府県による

参考:『ふぐ調理師

 

  ホテルの調理部門で働くには  

 

ホテルの調理部門で働く方法は、大きく分けて3つあります。

 

 

①調理師の専門学校に通う

 

調理師・パティシエ・ベーカリーなどを目指す場合、専門学校に通う事で専門的な知識や技術を身につけられます。

専門課程を修了すれば、卒業と同時に無試験で「調理師免許」を取得できるのも大きなメリット。

また、資格取得のための授業や就職サポートも充実しているため、ホテルへの就職活動を有利に進められます。

さらに、多くの学校では2ヶ月〜半年ほどのインターンシップ(ホテル実習)があり、現場で実際の仕事を体験できます。

企業から直接学校に求人が届くケースも多いので、就職のチャンスを広げやすいのも魅力です。

 

 

②アルバイトで調理経験を積む

 

調理の経験がない方は、まずアルバイトからスタートして経験を積む方法もあります。

ホテルやレストランなど、未経験でも応募できる求人もあるため、現場で働きながら基本を学ぶ事が可能です。

中途採用の場合は、調理経験や調理師免許を持っていると選考で有利になります。

飲食店や給食施設などで2年以上の実務経験を積めば「調理師試験」を受験でき、合格すれば資格を取得する事もできます。

ホテルによっては、アルバイトからスタートした場合でも、実績やスキルが認められれば、契約社員や正社員登用のチャンスもあるでしょう。

 

 

③ホテル専門の転職エージェントを利用

 

調理未経験の方や、効率よく転職活動を進めたい方には、ホテル業界に特化した転職エージェントを利用する方法があります。

業界に詳しいエージェントを利用する事で、以下のようなメリットがあります。

 

・各ホテルの採用基準や業界情報に詳しい

・非公開求人や最新求人を紹介してもらえる

・履歴書や職務経歴書の添削、面接対策などのサポート

・自分では難しい年収交渉も代行してもらえる


また、エージェントは企業とのつながりが強いため、求人票だけでは分からない現場の雰囲気や就職後の働き方についても教えてもらえる事も。

さらに、第三者の視点からアドバイスを受けることで、自分では気づけなかった強みを発見できる事も大きな魅力です。

 

     まとめ      

 

ホテルの料理はお客様の印象を大きく左右するため、調理部門はホテルにとって非常に重要な存在。

自分の手がけた料理で多くのお客様に喜んでいただき、思い出に残る時間を提供できる事は大きなやりがいになるでしょう。

直接お客様と接する機会は少ないものの、ホテルマンとして大切なのは「ホスピタリティの心」。

お客様の気持ちを想像し、「どうすれば喜んでいただけるか」「より満足していただける料理を提供できるか」という視点で仕事を進めていく事が重要になります。

経験を積むにつれて担当できる料理の幅が広がり、メニュー開発などに携われるチャンスも増えます。

もちろん、長時間の勤務や立ち仕事など体力的に大変に感じる面もあるかもしれませんが、感謝の言葉を頂く事も多く大きな達成感や満足感も得られる仕事です。



弊社ホテルビズでは、ホテルレストランや婚礼調理に関する求人を多数取り扱っています。

ホテルの調理部門でキャリアを築きたい方は、ぜひお気軽にご相談下さい。

 

2025.09.15