
ホテルには様々な業態のレストランがありますが、その中でも和食調理は非日常の空間の中で、日本の伝統と一流の技術でお客様を喜ばせる事ができる仕事です。
特に近年では、世界でも和食の人気が高まっており注目を集めています。
これからも需要が高まると予想される和食調理師にはどのようにキャリアプランがあるのでしょうか。
今回は、ホテルの和食調理スタッフとしてのキャリアプランについてお伝えします。
これからホテルで和食調理の仕事をしたいという方は是非参考にしてみて下さいね。
ホテルの和食調理スタッフとしてのキャリアプランは主に4つあります。
①ホテル内でのキャリアアップ
1つ目は入社したホテルでキャリアを積んでいくプランです。
①一般スタッフ・リーダー
最初は調理の基礎業務を担当し、知識や技術を身につけていきます。
徐々に、各セクションのリーダーとして責任あるポジションにつきメニュー開発やチームマネジメントに携わります。
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②副料理長
各セクションのリーダーとして技術を身につけたら、副料理長となり、部下の指導やコスト管理、メニュー開発などを担当。
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③料理長
その後、料理長(総責任者)として調理部門の全体を統括します。
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④ホテル全体の飲食部門責任者
ホテルの料飲部門は様々な分野に分かれています。
そのため、和食部門だけでなく、宴会部門や他の飲食部門など全体の経営に関与する立場に進んでいきます。
直接ホテルの経営に携わる役職になりますので、大きなやりがいを感じる事ができるでしょう。
②別のホテルへの転職
ホテルで経験を積み、技術や実績をつける事ができれば、別のホテルへ転職し、今までの経験を活かしたり違うホテルでキャリアを積む事もできます。
特に近年では、アメリカ・ヨーロッパ・アジア圏などを中心に和食の人気が拡大しています。
そのため、国内のホテルだけでなく、海外のホテルへチャレンジする事も可能。
海外のホテルで和食を担当するシェフとして働く経験は、自分自身の成長にも繋がるでしょう。
現地スタッフへの指導や、和食の魅力を広める機会にも大きなやりがいを感じる事ができるはずです。
③独立・起業
将来的に自分のお店を持つのが夢という方や、独立してフリーで仕事をしたいという方も多いでしょう。
ホテルで培った技術や経験を活かして、以下のような形で独立する人もいます。
・和食店の開業
高級和食割烹店やカジュアルな居酒屋などの経営。
・ケータリング事業
レストランや宴会調理の経験を活かし、企業イベントなどの際にケータリングサービスを提供。
・フリーランスシェフ
出張シェフとして、家庭や個人のパーティの際などに料理を作るサービスの提供。
・フードコーディネーター
企業や飲食店からの依頼を受け、食材の選定・メニュー開発を行います。
近年では、フードコーディネーターとしてSNSで考案したメニューなどを発信し、収入を得ている方も多くいます。
・料理教室の開催
健康志向が高まっている近年では、和食は非常に人気があります。
料理教室を開催する事で、和食の魅力や技術を伝える事ができます。
④調理関連職へ転職
調理の経験を活かして、別の職種へ転職する事も可能です。
・食品メーカーや外食企業のメニュー開発職
調理師の視点を活かし新商品開発に携わる事ができます。
食品メーカーであれば、スーパーやコンビニ向けに販売する新商品の開発・既存商品のリニューアルを行います。
・調理師専門学校の講師
ホテルのでの調理経験を活かし、次世代の調理師を育成する道も。
そして海外でも活躍したい場合は、語学力をつける事は必須です。
また独立を考える場合に重要となるのが、人脈などのネットワーク。
コミュニケーションをしっかり取る事でキャリアのチャンスを広げる事ができます。
キャリアアップに必要なスキルと経験
前述したように、キャリアアップするには、当然ながら必要なスキルを積んでいく事が必須となります。
下準備や下ごしらえなどの技術、だしの取り方や盛り付けなどの基礎知識を習得したら、和食調理の五法=「生・煮る・焼く・揚げる・蒸す」等、それぞれのポジションで技術を身につけ、単品料理やフルコースなど様々な料理に携わっていきます。
1年目は基本技術を習得し、3~5年目でセクションリーダーやメニュー開発に挑戦するケースが一般的。
幾つものセクションを経験し、キャリアを積んでいきますので一人前の料理人になるのには約10年程かかる事もあります。
必要な経験(和食調理のポジション)
①追い回し
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②八寸場
↓
③揚げ場
↓
④焼き場
↓
⑤蒸し場
↓
⑥刺し場
↓
⑦副料理長
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⑧料理長
・ホテル調理の仕事内容については→こちら
必要なスキル
・基本的な和食技術
包丁さばき・だしの取り方・煮る、焼く、揚げる、盛り付けの技術
・高級和食の専門技術
高級食材(ふぐや鰻など)を取り扱う技術
・おもてなしの心とコミュニケーションスキル
ホスピタリティを最も大切にしているホテルでは、料理人もおもてなしの心が必要となります。
お客様のニーズを汲み取り、喜んでもらえるよう料理する心配りが求められます。
・和食文化への理解
和食の歴史や文化、四季、各地域の食材、伝統行事の知識
・協調性
調理チームやフロアスタッフとのチームワーク力
・ 語学力
近年では訪日外国人も増えているため、メニュー説明や料理への質問に答えられる程度の英語力があると、より良いでしょう。
・創造力と柔軟性
新しいメニューの開発
・マネジメントスキル
コスト管理・人材育成・オペレーション管理
・衛生管理の知識
<必要な資格>
・調理師免許
・食品衛生責任者
・ふぐ調理師免許
・ホテルの調理の資格に関しては→こちら
ホテルの和食調理の仕事に就くには
調理系の専門学校に通うと、知識や技術を習得できますし、無受験で調理師免許を取得する事ができるため、比較的スムーズに入社しやすくなります。
調理技術や知識、食に携わる上で重要な衛生管理やアレルギーなどの知識、また店舗経営などの知識に関しても学ぶ事ができます。
中途採用は即戦力を求められる事が多いので、何かしらの調理経験があると有利になります。
一人前の調理師になるまでにはある程度の期間が必要となるため、既に社会人経験を積んでいる人は、年齢の面を考えても学校に通うより未経験可能な求人へ応募し実力をつけていった方が早いでしょう。
また、ホテルや調理専門の転職エージェントを利用するのも方法の1つ。
業界に精通したコンサルタントがしっかり転職をサポートしてくれるで、転職の近道になるでしょう。
まとめ
2025.02.05