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ホテルの調理師は、「レストラン部門」と「宴会部門」のどちらかの配属になります。

部門によってコース・ビュッフェ・アラカルトなど提供する料理は様々ですが、レストラン部門では主にコースとアラカルトを担当する事が多いです。

ホテルを訪れるお客様は、宿泊は勿論の事、お祝いや記念日など特別な日に利用される方も多くいらっしゃいます。

また、サービス業界の最高峰とも言われているホテルでは、高い調理技術やおもてなしが必要となります。

そのため、「思い出に残る料理を提供したい。」「調理の腕を磨きたい。」という方にはぴったりの環境があるホテル。

今回は、ホテルのレストラン部門の和食調理の仕事内容についてご紹介します。

 

 

 

ホテルのレストラン部門の和食調理 

 

前述したように、ホテルには様々なレストランが入っていますが、日本の代表的な料理の和食は、全国各地の食材や四季折々の旬な食材等を使って調理するため、様々な楽しみがあります。

日本ならではの旬な食材や繊細な料理を求めるお客様も多いため、調理人には食材の知識・調理技術・見た目の盛り付けのセンス等も必要となります。

一品料理から懐石料理・会席料理まで幅広く対応しており、ビュッフェや宴席・結婚式等で和食調理を担当する事も。

ホテルの場合は、街場の飲食店と違い、規模が大きく各セクション毎に仕事をします。

その為、様々な技術を学ぶのに時間がかかりますが、その分、正確な技術や知識を身につける事ができます。

 

 和食調理部門の仕事内容    

 

最初は、追い回しといって、下準備や下ごしらえから経験を積んでいきます。

その後、だしの取り方や盛り付けなどの基礎知識を学び、和食調理の五法=「生・煮る・焼く・揚げる・蒸す」等、それぞれのポジションで技術を身につけ、単品料理やフルコースなど様々な料理に携わっていきます。

その為、様々な技術を身につける事ができます。

幾つものセクションを経験し、キャリアを積んでいきますので一人前の料理人になるのには約10年程かかる事も。

料理長等トップの立場になると、メニュー開発や原価計算、マネジメントまで幅広く担当します。

ここでは各セクションの仕事内容をお伝えしていきます。

 

<和食調理部門のキャリアパス>

①追い回し(1年目〜)

②八寸場(2~5年目〜)

③揚げ場(5年目〜)

④焼き場(5年目〜)

⑤蒸し場(5年目〜)

⑥刺し場(6年目〜)

⑦副料理長(7年目~)

⑧料理長

 

 

 

①追い回し

 

入社後すぐに調理を任される事はなく、見習いとして、掃除・洗い物・食材の下準備・まかない作り・雑務等を担当します。

追い回しという言葉は、各ポジションの先輩から様々な雑務を任されるため、追い回されている程忙しいという意味からきています。

最初は野菜などの下処理がメインとなりますが、その後、お刺身の盛り付けに使う大根の桂剥きなど包丁の使い方を学んでいきます。

追い回しの期間は約1年程。

この期間に、調理場の中の各ポジションで、どのように仕事が行われているのか、先輩たちの動きを見ながら流や業務を把握していく事が重要になります。

和食はその季節ごとの旬な食材を使って調理する事も多いです。

四季の料理を学びながら、各ポジションで約1年づつ経験を積んでいくのが理想でしょう。

 

 

②八寸場・盛り付け

 

追い回しの期間が終わると、お客様にお出しする料理に携われるようになります。

ただし、すぐに調理をするわけではなく、盛り付けがメインとなります。

煮方や焼き場で仕込んだ料理を、八寸・先付として盛り付け、技術や知識・感覚などを身につけていきます。

八寸や先付けは、1番最初にお客様に提供される料理。

第一印象を左右すると言っても過言ではない大切な仕事になります。


※八寸:前菜
※先付:本料理の前に酒の肴として出す小さな料理

 

 

③揚げ場

 

追い回し等のポジションでしっかり知識や技術を学んだら、いよいよ調理に携われるようになります。

天ぷらや唐揚げ等の揚げ物など加熱調理を担当しますが、職場によっては焼き物を兼任する事も。

油を使って調理するため、責任が高まります。

料理は火の通り具合でも味や食感が左右されますよね。

そのため、火加減の技術や時間管理等が求められます。

 

 

④焼き場

 

焼き台での魚の焼き物や、炭火を使っての調理を担当します。

前述したように、職場によっては揚げ場と焼き場を兼任するケースもあります。

魚や肉、野菜等様々な食材の知識が深まるポジションです。

 

 

⑤蒸し場・煮方

 

蒸し場や煮方では、料理の味つけやチェックを担当します。

出汁取りやタレ作りなど味を左右する部門であり、煮物や鍋物なども任される重要なポジション。

蒸し場では、茶碗蒸しなどの蒸し料理、煮方では出汁を取ったり料理やお吸い物の味を決めたりします。

見た目は勿論大切ですが、味は料理の印象を左右する非常に重要なものとなります。

このポジションは、常に同じクオリティの味をお客様に提供しなくてはならない重要な役割がありますので、味覚が非常に大切になります。

 

 

⑥刺し場(板場)

 

主にお刺身を担当する刺し場は、料理長・副料理長に次いで最も重要なポジションとなり、厳選した素材の選定や魚をさばく技術、正確に刺身などをきる技術が必要となります。

お刺身の切りつけがメインとなりますが、先付け・八寸等に使う鮮魚の切り付けを行う事も。

また、カウンターがあるお店では、お客様に接客をしながら調理する事も多いので、コミュニケーション能力等も求められます。 

 

 

⑦副料理長

 

料理長が不在の時などに代わりをする、調理場の副責任者。

脇板・次板とも呼ばれ、ホテルなど大きな店舗では、複数副料理長がいるケースもあります。

料理長を支え、調理場の管理や部下のマネジメント等も行います。 

 

 

⑧料理長(板長)


調理場でのトップであり総責任者。

現場での責任者として、調理・衛生管理・スタッフの教育やマネジメント・人材育成・メニューの開発・利益率や原価率の計算・食材の選定、仕入れなど店舗の運営業務全般を行います。

調理も勿論行いますが、指示出しや数値管理・部下のマネジメントなどの管理業務も多くなります。

また、メニューの考案や開発も重要な仕事の1つになります。

 

 

ホテル調理の仕事に就くには   

  

ホテル調理の仕事に就くには2つの方法があります。

 

①専門学校・短大・大学を卒業→調理師免許を取得→就職

②現場で実務経験を積む(できれば2年以上)→就職

 

ホテルの調理スタッフになるために、必須な資格はありません。

しかし、国家資格でもある「調理師免許」などを持っていると、転職する際に有利になったり、お給料・資格手当・昇進の面でメリットがある事も。

また独立する際にも、お客様への信頼度も高くなるため役立つでしょう。

調理師の専門学校に通い、知識や技術を習得する事で、卒業と同時に無試験で調理師免許が取得できまので、比較的スムーズに入社しやすくなります。

専門学校では、調理技術や知識、食に携わる上で重要な衛生管理やアレルギーなどの知識、また店舗経営などの知識に関しても学ぶ事ができます。

また、学校に直接求人が来る事も多いので、就職する際にも有利になる事があるでしょう。

年齢にもよりますが、基本的に中途採用は即戦力を求められる事が多いので、何かしらの調理経験や調理師免許があると有利になります。

学校に通わず、アルバイトか未経験可能な求人に応募して、調理経験を積む方法もあります。

無事調理スタッフになれた場合、最初は見習いや仕込み担当として勤務し、経験を積んで調理人としてスキルアップしていきます。


★一人前の調理師になるまでにはある程度の期間が必要となるため、既に社会人経験を積んでいる人は、年齢の面を考えても学校に通うより未経験可能な求人へ応募し実力をつけていった方が早いでしょう。

 

 

     まとめ      

 

将来は一流ホテルの料理長になりたい!と憧れる人も多いでしょう。

料理の世界は下積みから始まりステップを踏んで技術をつけて上に上がっていきます。

焼き物・揚げ物・蒸し物・煮物・刺し物など、高度な技術や専門的な知識を身につけ、美しい盛り付けや美味しい料理を提供していきます。

チームで仕事をしていくための協調性や、調理場全体のマネジメントなども身につけていきながら、キャリアアップを目指しましょう。


 


 

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2025.06.20