
ホテル業界で働く時に、将来的にどんなキャリアプランがあるのか気になる方も多いのではないでしょうか。
現在の日本では、多くの外国人が日本を訪れるようになり、インバウンド需要の見込みと日本人の富裕層も増加傾向などの理由から、日本全国で続々とホテルが誕生しています。
そのため、ホテル業界は人材不足となっている現状があり、チャンスをつかめばキャリアアップする事で今より年収や待遇を上げる事が十分可能です。
そこで今回は、ホテルで働いた際のキャリアパスについて解説します。
・役職に関しては→こちら
ホテル業界のキャリアプラン例
ホテル業界のキャリアプランは、
「スペシャリスト」と「ゼネラリスト」に大きく2つに分けられます。
スペシャリストは「専門職」、ゼネラリストは「総合職」とイメージすれば分かりやすいかもしれません。
日系ホテルと外資系ホテルによっても異なる傾向がありますので、それぞれの仕事内容やキャリアプランの目指し方についてご紹介していきます。
日本のホテルのキャリアプランの傾向
日本は、古くから上下関係を重要視する年功序列の傾向にあります。
そのため、日系企業のホテルでは、高校や専門学校・短大・大学を卒業した新卒を中心に採用し、充実した新人教育や研修を受けて、幹部候補まで育て長年自社に貢献できる人材を確保する特徴がありました。
一般的にフロント・ベル・レストランや宴会のウェイターなどの接客を経験し、5〜10年かけてその部門のマネージャーなどに昇格した後に、本部職などにキャリアアップしていくのが一般的でした。
しかし近年では、新卒者が本部職へ配属されたり、実力があれば現場で経験を積んだ後に数年でマネージャー職にキャリアアップするケースも増えてきています。
もちろん外資系ホテルと同じようなキャリアプランをとっている日系ホテルもあります。
日本の御三家の1つでもある帝国ホテルでも、キャリアプランは2つに分かれています。
(※参照:帝国ホテルでのキャリア形成)
各ホテルの人事評価の基準や方法によって変わってきますので、事前にキャリアパスを聞いておくと良いかもしれません。
外資系ホテルのキャリアプランの傾向
新人をじっくり育てていくという日系企業に対して、外資系企業では、現場でのプロフェッショナルを目指す「スペシャリストコース」と、マネジメント職を目指す「ゼネラリストコース」に分かれており、基本的には個人で選ぶ事ができます。
自分の実力と価値を高め、キャリアアップしていきたい・その道のスペシャリストになりたいという人にとっては、外資系ホテルは、これ以上ない環境であるとも言えます。
一方で、ホテルの幹部クラスは、世界各国にグループホテルのマネージャーがいて、海外のマネージャーが派遣されてくる場合が多くなっています。
そのため、幹部クラスに登用されるには、相当大きな成果を出し続けていかないと難しい傾向にあります。
スペシャリストコース(専門職)
スペシャリストは、ある特定の職種に特化し、高い専門的な知識を持っている者の事を指し、部署の異動をする事なく1つの部署でそのみちを極めていきます。
シェフ・ソムリエ・コンシェルジュ・通訳などが当てはまるでしょう。
一つの職務を全うしたいという方は、実力次第で専門的な職位が用意され、自分の磨いてきた専門スキルを存分に活かし続ける事ができます。
スペシャリストになると、チップによってインセンティブ収入を得られ評価を受ける事ができたり、評判・人気などによって昇給が早まるホテルなどもあり、ヘッドハンティングされる可能性も十分あります。
ゼネラリストコース(総合職)
ゼネラリストとは、幅広い知識やスキルを持ち合わせた者の事を指します。
そのため、ホテル内の各業務を把握するために、宿泊部門や料飲部門など様々な部門・分野で経験を積み、全体を見通すマネジメント知識や能力をつけていく事が必要となります。
ゼネラリストコースを選んだ場合は、まずは様々な現場で接客経験などを積んだのちに、マネージャーや支配人といった役職に就き全体のマネジメント能力を身につけていきます。
ホテル経営の中枢に携わりたいという方は、最終的に総支配人までステップアップする事が可能です。
総支配人とは、ホテルのトップを担う役職で、ホテルの運営や経営に関する責任と権限を持つ事業執行責任者。
自身のスキルだけでなく、ホテル全体をマネジメントし成長させていく重要な役割を担います。
一般的なキャリアプラン
一般スタッフ
↓
ヘッド(キャプテン)
↓
チームリーダー
↓
アシスタントマネージャー
↓
マネージャー(支配人)
↓
副総支配人・支配人
★スペシャリスト・ゼネラリスト共に、ホテルには不可欠な人材です。
しかし、キャリアパスはホテルによっても異なります。
基本的には、フロント・ベル・コンシェルジュ・ハウスキーピング・サービスといった現場で経験を積んでから「スペシャリスト」と「ゼネラリスト」に分かれていく事になります。
どちらのパターンでも、ホテルにとってはなくてはならない貴重な人材であり、高いスキルが求められます。
いずれのキャリアプランを目指しても、自分の努力次第で昇進やヘッドハンティングの可能性も高くなるでしょう。
キャリアアップするために必要な能力
ホテルの副支配人や支配人・管理部門の部長は、ホテル経営において非常に責任の大きい立場である事から様々なスキルや能力が求められます。
部門の責任者として売上管理や経営戦略にも携わるため、経営に関する知識やマネジメント能力、また各部門のスタッフがきちんと仕事に従事できているか、全体に目を配り管理監督していくためオペレーション能力なども必要となります。
そのため、複数の部門を経験し、知識やスキルだけではない現場ならではの経験を得る事が非常に大切になるのです。
その他にも、旅行業法などの基本的な法律の知識や海外との文書のやり取り、外国人のお客様への接客やクレーム対応なども行うため、英語や中国語・韓国語などの高い語学力も欠かせません。
・現場での経験
・法律や経理の知識
・経営に関する知識
・人事管理能力
・オペレーション能力
・マネージメント能力
・リーダーシップ
・決断力
・語学力
★このようなスキルを身につけ、副支配人・支配人として経験を積んだ後は、副総支配人・総支配人とホテル全体の責任者へとキャリアステップしていく事が可能です。
まとめ
近年のホテル業界は、外国人観光客の急増によりホテルが相次いで開業している他、観光立国の実現が目指されている事などから、今後もまだまだ伸びしろのある業界です。
その一方で、24時間365日営業している事から、不規則な勤務時間になってしまったり、その割に低賃金であるなどの理由から離職率が高く人材不足が叫ばれている業界でもあります。
また、冒頭でもお伝えしたように、今後も更なる外資系ホテルの開業が予定されていますので、ホテル業界は常に優秀な人材を渇望しているとも言えます。
自分自身が努力する事で、キャリアアップする事や今より年収や待遇を上げる事は十分可能です。
ホテル業界でキャリアアップしたいという方は是非チャレンジしてみて下さいね。
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2024.12.17