ホテルの調理の仕事は、「宴会部門」「レストラン部門」に分かれており、料理のスタイルや求められるスキルが大きく異なります。

その役割や働き方には様々な種類がありますので、ホテルで働きたい場合には、それぞれの部門でどのような仕事が行われ、何が魅力なのかを知り、どちらが自分に合っているのかを見極める事が大切になります。

そこで今回は、ホテル調理の2つの部門の特徴と違いを詳しくご紹介します。

ホテルの調理の仕事に興味があるという方は参考にしてみて下さいね。

 

 配属先は宴会部門とレストラン部門 

 

前述したように、ホテルの調理部門は「宴会部門」と「レストラン部門」に分かれています。

 

【宴会部門】
・宴会
・結婚式

 

【レストラン部門】
・フランス料理
・イタリア料理
・日本料理
・中華料理
・カフェ

 

宴会部門では、主に宴会や結婚式での調理、レストランではそれぞれの専門料理を担当します。

宴会部門の調理は、ホットセクション・コールドセクションに分かれています。


*ホットセクション
・ソース
・野菜
・スープ
・肉の下処理や火入れ全般
・魚料理全般


*コールドセクション
・野菜、肉、魚の下処理
・冷製料理全般

 

レストラン部門も各セクションで分かれていますので、どちらの部門に配属になっても各セクションで経験を積み、シェフとなれるよう技術を磨いていきます。

 

 

大手ホテル3社の宴会場数とレストラン数  

 

ホテル 宴会場数 レストラン数
帝国ホテル東京 28 13
The Okura Tokyo 9 7
ホテルニューオータニ東京 35 41

 

このようにホテルによって違いはありますが、宴会場の数やレストランの数は非常に多いですよね。

宴会や結婚式は、多いと1回で100名を超える事も。

1日に何件何十件の宴会や結婚式が行われますので、多くの調理スタッフが必要となります。

どちらの配属になるかは、その時にホテルが必要とするポジションと、応募者が希望する調理内容を考慮して決められますが、多くの調理スタッフが必要となる宴会部門の配属からスタートする事が多いようです。

 

 

 宴会部門とレストラン部門の違い 

 

宴会部門の調理とレストラン部門には、それぞれ下記のような違いがあります。

 

 ①調理

 

<宴会部門>
料理の特性①:大量調理
料理の特性②:コース料理やビュッフェ
料理の種類:フレンチメインですが、様々なカテゴリーに携わる事も

 

<レストラン部門>
料理の特性①:小ロット
料理の特性②:アラカルト・オーダー
料理の種類:フレンチ・イタリアン・和食・中華 など

 

 

 ②求められるスキル

 

前述したように、宴会部門では事前に決まっているメニューを大量調理します。

当日に向けて、段取りを組んで下準備をしなければならない為、計画性が必要となります。

一方で、レストラン部門は当日にオーダー注文の多様な料理を調理します。

追加注文なども多く、注文頻度が高い為、柔軟性や同じくスピードなどが求められます。

 

<宴会部門>
・計画性
・スピード
・均一な品質で提供する技術

 

<レストラン部門>
・繊細な技術
・スピード
・柔軟性

 

 ③職場環境


宴会部門は、当日に向けて決まったメニューの大量調理に取り組んでいく為、前述したような計画性の他に、チームワーク力や協調性なども求められます。

一方で、レストラン部門はメニューにお店のシェフの色が強く出る事が多い為、シェフの創造性なども重要となります。

 

<宴会部門>
・チームワークなどの協調性
・効率の良さが重要

 

<レストラン部門>
・チームワークなどの協調性
・シェフの存在が大きい
・レストランの特徴を活かせる技術

 

 

 ④お客様との距離

 

宴会部門の場合は、お客様自らの意思で来館する訳ではなく、宴会・パーティ・結婚式などイベントに参加するために来ますが、レストラン部門の場合は自らの意思で選んで来館するという違いがあります。

そのため、宴会部門の調理スタッフとお客様が直接接する機会はほぼないですが、レストラン部門の場合は目的を持って来館するため、お客様と直接接する機会もあります。

料理を気に入ってもらえれば、挨拶するチャンスがあったり、リピーターとなってくれる事も多いです。

 

 

 ⑤魅力

 

ホテルはおもてなしの最高峰とも言われているため、料理に関しても高いスキルなどが求められます。

料理によってはそのホテルの印象までも左右されてしまうため、非常に重要なポジションですよね。

両者ともにお客様に「感動」を与えられるような料理を提供しなければなりません。

そのため、高い技術力がついたり幅広い料理に関する知識がつくなどのメリットがあります。

しかし前述したように、料理の特性や職場環境などの違いからそれぞれに違った魅力もあります。

 

<宴会部門>
・感動的なシーンを演出できる
・幅広い料理に取り組める
・1つの大きなイベントに皆で取り組み成功させるやりがい
・様々なポジションの人と出会えるため勉強になる

 

<レストラン部門>
・正確な技術や知識を身につけられる
・専門性を極められる
・お客様との距離感が近い
・全ポジションを担当していくため幅広い調理技術が身につく

 

 

 ⑥キャリアプラン

 

ホテル調理のキャリアプランは、どちらの部門であっても大きな違いはありません。

基本的には、一般スタッフからスタートし、各セクションで経験を積み部門シェフとなったら、宴会シェフ・レストランシェフとなっていきます。

 

①一般スタッフ・部門シェフ

調理の基礎業務を担当し、知識や技術を身につけていきます。

徐々に、各セクションのリーダーとして責任あるポジションにつきメニュー開発やチームマネジメントに携わります。

②副料理長

各セクションのリーダーとして技術を身につけたら、副料理長となり、部下の指導やコスト管理、メニュー開発などを担当。

③料理長

その後、料理長として調理部門の全体を統括します。

④ホテル全体の飲食部門責任者

ホテルの料飲部門は様々な分野に分かれています。

そのため、宴会部門や他の飲食部門など全体の経営に関与する立場に進んでいきます。

直接ホテルの経営に携わる役職になりますので、大きなやりがいを感じる事ができるでしょう。

 

 

     まとめ      

 

ホテル調理の仕事の種類や違いなどをご紹介させて頂きました。

同じホテル内での調理でも、配属先によって大きな違いがあります。

ホテルで調理の仕事がしたいという方は、どちらが自分に合うか、今回の内容を参考にしてみて下さいね。

 

 

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2025.01.31