ホテルで結婚式を担当する「婚礼部門」

結婚式のプランニング・式の準備・式当日の本番の施工に至るまで、結婚式の始まりから終わりまでサポートするやりがいのあるお仕事です。

今回は、ホテルの婚礼部門3職種の仕事内容についてご紹介します。

 

・ホテルの婚礼部門で働く魅力や大変な事は→こちら

 

 

 

ホテルウェディングの特徴 

 

ホテルでのウェディングは、日本の結婚式のスタイルで代表的なものとなっています。

披露宴会場・控室・宿泊・レストラン・美容室・写真館全てを兼ね備えている特徴があります。

ホテルならではの整った環境と設備がある事や、教育やサービスや対応も一流である事から、新郎新婦・ご家族・そしてゲストの方も安心して過ごせるでしょう。

宴会場の数も多く、様々な大きさやタイプがあり1日に何組もの結婚式が行われます。

家族や親しい友人だけの少人数ウェディングを行う事も出来ますし、100名以上が収容出来る宴会場もあるため、大人数での結婚式も可能に。

駅からのアクセスも比較的良い場所にある傾向にあるのも、大きなメリットと言えます。

知名度や格式、一定のブランドが確立されており、親族・年配者など幅広い年代の方に支持されている事も特徴の一つでしょう。

 

 

 婚礼部門の3職種の仕事内容  

 

ホテルは、宴会部門・宿泊部門・料飲部門の3つを軸としており、婚礼(ブライダル)に携わる仕事は宴会部門の婚礼課に所属する事が多くなります。

ホテルの場合は、新入社員が短大や専門学校卒で年齢が若い場合、入社後すぐにウェディングプランナーの職につく事は少なく、他のセクションで2〜3年働き経験を積んだ後に、婚礼部門に異動となる事が多くなっています。

ここでは婚礼部門の「ウェディングプランナー」「宴会・婚礼サービス」「クローク」の3つの職種の仕事内容をお伝えします。

 

 

 

①ウェディングプランナー

 

ウェディングプランナーは、お客様が理想の結婚式を挙げられるよう、結婚式や披露宴のプランニングを行い、関わる全ての事柄について全面的にサポート・プロデュースしていくお仕事です。

そのため、コミュニケーション能力・営業力・ホスピタリティ・事務能力などの能力やスキルが必要となります。

特に、対面での販売能力や営業能力が優れている人材が求められます。

新郎新婦にとって結婚式は、一生に一度の特別なセレモニー。

ウェディングプランナーに対する期待も高く、完璧な仕事を求められますので些細な事でクレームとなってしまう事も。

1件200〜500万円と高額であり高い売上が発生するため、非常に重要な役割があり責任も大きくなります。

 

ウェディングプランナーの仕事は、新規接客(ご来館〜成約まで)と打ち合わせ(成約後〜プランニング)を一貫して行うケースと分業で行うケースがあり企業によって異なります。

ホテルの場合は、バンケット数も多く年間数百組と結婚式が行われる事が多いので、大抵が分業制で行われ、当日はキャプテンが取り仕切る事が一般的です。

 

<新規接客>

新規接客担当のウェディングプランナーとは、結婚式を検討しているカップルが自社の結婚式場を見学する際に1番最初に接する人。

アンケートを元にカップルから結婚式の要望や予算などを聞き出し、チャペルや、披露宴会場、時間に余裕があれば衣装室などをご案内します。

人気のホテルの場合は、1日に2~3組程の新規見学を担当します。(1組に対して大体2~3時間程)

新規接客の役割は、自社の結婚式場の魅力をしっかり伝え「ここで結婚式をしたい!」と思ってもらう事です。

数ある式場の中で自社を選択して頂くために様々なテクニックを駆使し、他社の動向も踏まえながら契約に向けて営業をしていきます。

 

<打ち合わせ担当>

新規接客の担当者から引継ぎを行い、スムーズに打ち合わせが進められるよう、担当する新郎新婦の結婚式の希望のスタイルやこだわりなどの情報を確認します。

打ち合わせのスタートは、結婚式のおよそ3~4ヶ月前からとなり、当日まで3~5回行います。(1回の時間は2~3時間程)

招待状・装花・テーブルコーディネート・料理・ウェディングケーキ・演出・音楽・映像・司会などの内容を具体的に決めていき、決定後は各部署と調整を行い、結婚式に向けて準備を進めていきます。

ホテルの場合は、ある程度プランのパターンが決まっていたり、セット料金となっている事が多いため、ウェディングプランナーがその中から提案してく事が殆ど。

その他に、席次表・席札の確認、引出物・引菓子・プチギフトの発注などの手配業務、検品、また新郎新婦からの相談のメールや電話対応などの業務もあります。

最後は無事結婚式が迎えられるよう、引出物や会場などの最終チェックを行い準備をします。

一生に一度の大切な節目となる1日なので、新郎新婦の要望を確認し、できるだけ希望に添える結婚式になるようプランニングしていきます。

結婚式には繁忙期と閑散期があり、ホテルによっても異なりますが、1ヶ月の担当件数は2~5件程になります。

 

<ホテルプランナーの特徴>

前述したように、ホテルウェディングの場合は、内容や演出がある程度パターン化されている事が多く、オリジナルでの演出や自由度は低くなります。

そのため、ウェディングプランナーも結婚式の内容や演出に関してのオリジナル性の提案は比較的少なくなります

その分正統な安心感のあるプランのご提案ができるのがメリットになるでしょう。

 

 

②宴会・婚礼サービス

 

同じ場所でありながらも、平日は一般宴会、土日祝は披露宴会場など様々な目的で利用されるホテルの宴会場。

宴会サービススタッフは、新郎新婦とウェディングプランナーがプランニングした結婚式を他のスタッフと共に実現していきます。

披露宴会場の準備・セッティングを行い、予約担当者の指示書やタイムスケジュールを基に当日のサービスとオペレーションを担当します。

主な仕事は、ゲストの方に料理やドリンクの提供を行う飲食のサービスや、宴会がスムーズに進行するようサポートする事。

食器の片付けやメニューの説明、ドリンクのお伺い、その他に会場内の案内や写真撮影のお手伝いなどもします。

一般宴会や結婚式には様々な職種のスタッフが関わりますが、宴会サービスの仕事は、新郎新婦に代わって来て頂いたゲストの方をおもてなしする仕事で、ゲストが直接接する1番近いスタッフ。

サービススタッフの接客によって、そのホテルや結婚式の印象も変わってきますので、正確性やスピード・高いサービス力やテーブルマナー・ホスピタリティなどの接客スキルが求められます。

また、料理や飲食に関して質問される事も多いので専門的な知識も必要になります。

ホテルの正社員は、スタッフをまとめ、マネジメントしながら宴会の進行状況を確認し指示出しをしていきます。

大きな宴会の場合は、テーブルごとにヘッドウェーターがいてサービススタッフとキャプテンの間で連携をとりながら、サービスを進めていきます。

宴会のキャプテンには、段取り力やリーダーシップ・マネジメント力・臨機応変に対応できる能力などが求められます。

宴会終了後は後片付けまで担当。

婚礼シーズンは1日に何件も結婚式が行われますので、宴会サービスも大変忙しくなります。

 

 

③クローク

 

クロークは、ホテルの入口付近やレストラン・宴会場近くに設置されており、お客様の手荷物や上着などを預かったり、その受け渡しや荷物の整理などを行う人。

主な仕事は、お客様の荷物預かり・クロークの整理・お客様の荷物の受け渡しの3つです。

開場直前や宴会の終了直後の短時間に沢山のお客様が訪れるため、スムーズかつ取り違えなく対応するため要領の良さが求められると共に、大きな責任のある仕事です。

お客様の荷物をお預かりしたら、整理整頓しておきます。

その方法はホテルによって異なりますが、見やすいように番号札の順番通りに並べ、お客様が受け取りに来た時にスムーズに引き渡せるよう工夫している事が多いでしょう。

一人のお客様が複数の荷物を預ける時もありますので、注意して保管する事も意識しなければいけません。

クロークにお客様が荷物を取りに来たら、預かっていた荷物からお客様のものを探して手渡します。

お客様の大切な荷物を預かる仕事であり、絶対に取り間違えを起こしてはいけないため、慎重さや取り扱いの丁寧さが求められます。

また、お客様を待たせないためのスピードや、パーティー後などは大勢のお客様がクロークに集中するため、スタッフ間のチームワークも欠かせません。

 

 

     婚礼部門の重要性      


前述したように、ホテルの収益構造は、

①宿泊部門
②料飲部門
③宴会部門(婚礼部門)

の大きく3つに分けられています。

日本には様々な種類のホテルがあるため、売上構成比は異なります。

シティホテルでの売上構成は、だいたい1/3づつの割合となっています。

 

※シティホテルとは、ファミリーからカップル、一人での利用など幅広い客層に対応しているホテルです。

日本の都市部に位置する事が多く、格安ホテルから高級ホテルまで料金は様々。

飲食店や宴会場の他、ラウンジやジム、大浴場などが併設されているホテルもあります。

日本の代表的なシティホテルには、帝国ホテル・ホテルオークラ東京・ホテルニューオータニ東京などが挙げられます。

 


宿泊メインのビジネスホテルであれば、宿泊の部門の割合の収益が多くなりますし、宴会場の種類や数が多く結婚式に力を入れているホテルは宴会部門の収益が高くなります。

欧米では基本的に宿泊部門の収益が8割をしめており、残りの2割が料飲・宴会部門となっている事が多いですが、日本では婚礼をホテルで行う事が多いため、宴会部門での収益が高めです。

ホテルによっては、売上の半数を占めるのが宴会(婚礼含む)収入というホテルも。

激化するホテル業界で勝ち抜くためには、婚礼・宴会部門の役割は非常に大きくなります。

 

 

    まとめ     


ホテルの婚礼部門でのお仕事についてご紹介させて頂きました。

お客様に感動的な時間を提供し、喜んでもらえるというやりがいだけでなく、チームワークで空間を作り上げていく楽しさや達成感も得る事ができます。

結婚式という特別な1日を作り上げる仕事のため、責任やプレッシャーも大きく、新郎新婦にスケジュールを合わせる事も多く土日休みが取りにくいなどの面や、残業が多くなる時期もあります。

しかし、このような準備の先に結婚式という感動的な1日が待っています。

一緒に結婚式を作り上げてきた新郎新婦の幸せな姿を見る事ができた時は、大きな喜びを感じる事ができるとてもやりがいのあるお仕事です。

 

 





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2024.12.04