
ホテルの調理スタッフとして働くうえで、気になるポイントの一つが「勤務時間や休日、福利厚生」ではないでしょうか。
ホテルは24時間365日稼働しているため、忙しくて休めない、働き方が不規則というイメージを持つ方も少なくありません。
しかし実際には、調理部門はレストランの営業時間に合わせた勤務が中心となり、夜勤がほとんどないケースも多く見られます。
また、近年は働き方改革の影響もあり、休日数の確保や福利厚生の充実に力を入れるホテルも増えています。
この記事では、ホテル調理スタッフの勤務時間や休日の実態、有給休暇の取得状況、さらに業界ならではの福利厚生について詳しく解説していきます。
ホテル業界での就職・転職を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
・ホテルの和食調理の仕事内容は→こちら
・ホテル調理のメリットデメリットは→こちら
ホテルの調理スタッフの勤務時間
ホテルは24時間営業していますが、レントランは朝7時〜夜22時前後での営業が殆ど。
そのため、ホテルの宿泊部門は夜勤の勤務もありますが、レストランは夜勤勤務はない事が多いでしょう。
勤務時間は、7.5~8時間が基本となっていますが、レストランの配属によっても異なります。
基本的に交代制となってる事が殆どなので、残業は10時間程度の事が多くなりますが、時間内に終わらなかったり、連休などの繁忙期には残業が増える事もあります。
<ホテルのシフト例>
★2交代制の場合★
①7:00〜16:00
②13:00〜22:00
ホテルによって、時間の配分は異なりますので、応募の前にはあらかじめ求人内容を確認しておきましょう。
ホテルの調理スタッフの休日
休日は、週休2日制をとっているホテルが多く、休みは月8~9日となります。
しかし、宿泊されるお客様は土日祝が多いため、基本的には平日のシフト制になります。
ビジネス系のホテルであれば、土日に休日が取りやすい傾向にあるでしょう。
また、ゴールデンウィークや夏休み、お盆や年末年始など世間が長期的な休みの時期はホテルは繁忙期になるのでスタッフが長期休暇を取るのは難しくなります。
年間の休日としては110日〜120日前後、夏季休暇・冬季休暇、産休育休や年次有給休暇、慶弔休暇が取れます。
①株式会社帝国ホテル
129日
②株式会社ホテルオークラ
110日
③株式会社ニュー・オータニ
107日
④藤田観光株式会社
111日
⑤リゾートトラスト株式会社
120日
⑥森トラストホテルズ&リゾーツ株式会社
107日
⑦株式会社三井不動産ホテルマネジメント
108日
⑧住友不動産ヴィラフォンテーヌ株式会社
105日
⑨三菱地所ホテルズ&リゾーツ株式会社
110日
⑩ダイワロイネットホテルズ株式会社
110日
ほんの一部にはなりますが、日系ホテル10社の年間休日日数をご紹介させて頂きました。
土日のお休み取りにくくても、年間の休日日数はしっかり取れている企業が多くなっています。
特に、日本の御三家と呼ばれる老舗高級ホテルや、鉄道系・不動産系は経営基盤がしっかりしているため、休日以外にも待遇やキャリアプランが整っている傾向にあります。
これからホテル業界で働きたいとい方は是非参考にしてみて下さいね。
ホテルの有給休暇取得日数や取得率は?
ホテルは年中無給で営業しているので、有給がないというイメージがある方も多いかと思いますが、有給休暇は法律で定められた全労働者に与えられた権利ですので誰でも必ず取得できます。
有給休暇は一定期間勤務した労働者に対して、心身の疲労回復と生活の質を保証するために付与される休暇であり、休んでも給料は変わる事なく支払われる制度です。
実際のホテル業界の有給取得日数や取得率は下記のようになっています。
厚生労働省が実施した「令和4年就労条件総合調査」によると、「宿泊業・飲食サービス業」の有給取得6.6日、取得率は44.3%と最も低くなっていました。
(参照:厚生労働省「令和4年就労条件総合調査」)
ただし、あくまで平均であり企業によって異なりますので、選考を受ける際に確認しておいても良いでしょう。
ホテルの福利厚生
ホテルの仕事は、長時間勤務であったり、シフトや夜勤など不規則な勤務などの特徴から、一般的な福利厚生とは別にホテル業界ならではの福利厚生・待遇というのもあります。
企業によってその内容は異なりますが、ここではホテルの代表的な福利厚生を4つご紹介していきます。
①社員寮(社宅:独身寮)
社員寮とは社員用の住居の事で、一般的には単身者向けを「社員寮・独身寮」、ファミリー向けを「社宅」と呼ぶケースが多くなっています。
都心部のシティホテルやビジネスホテルは少ないのですが、リゾートホテルなど都心部から離れ、通いにくい立地にある場合は社員寮があります。
また、ホテルの職種によっては、夜勤があったり時間や休みが不規則になるため用意しているホテルが多くなっています。
社宅は、一般のアパートやマンションと変わらない事が多いのですが、社員寮となると個室ではなく他の社員と同じ部屋であったりバスルームやトイレ、キッチンが共用となるケースもあります。
社員寮や社宅があると、家賃を安く抑えられる・通勤が便利・職場の人とコミュニケーションが取れるなどのメリットがありますよね。
旅館の場合は住み込みで働ける職場が多いのも特徴の1つです。
②食事手当
勤務時間が長く、不規則になりがちなホテルでは、食事手当ありや社員食堂がある求人が多くあります。
ホテルでは基本レストランやカフェなどが併設されていますので、勤務すると食事を出してくれる企業が多いです。
勤務体系的にも早番・遅番・夜勤などがあり、食事が偏りがちになるので健康管理という面でも嬉しいですよね。
都内のホテルではコンビニや飲食店も多くありますが、観光地やリゾート地では従業員が食べられるお店も少ない傾向に。
一緒に働く仲間と休憩時間を楽しめるのも、大切なコミュニケーションの時間になるでしょう。
③社員割引
ホテルで働くと、そのホテルのグループや系列のホテルに特別価格で泊まれたり、レストランを安く利用できるといった福利厚生がつく事も多いです。
一般の企業でも、自社の商品を購入する時に通常価格より割り引いた金額で購入できる事がありますが、ホテルも同様にお得に利用できる事があります。
④深夜手当
基本的にどの企業であっても、時間外手当・休日出勤手当・深夜残業手当は法律上で支払う義務があります。
残業代が別途支給されるのか、それとも給与に含まれているのか(みなし残業・固定残業)事前にしっかり確認しましょう。
特に、ホテルの職種によっては必ず夜勤や泊まり勤務が発生します。
調理の場合は、夜勤や泊まりはほぼないですが、深夜にまで業務が及んだ時には深夜手当などが支給されますので必ず確認しましょう。
<深夜労働とは>
午後10時~午前5時までの深夜時間における労働の事。
25%以上の割増率での賃金の支払いが必要になります。
法定労働時間である1日8時間、または週40時間を超えて労働があった場合も、通常の賃金に対して25%以上の割増率での賃金を支払い義務があります。
更に、深夜時間の午後10〜午前5時まで労働した場合は、深夜手当として25%以上の割増率で賃金を計算します。
よって、時間外残業と夜10時以降の深夜残業をした場合には、時間外手当+深夜手当の合計=50%割増の賃金を支払わなければなりません。
まとめ
ホテルの調理スタッフは、ホテルが24時間営業しているというイメージとは異なり、レストランの営業時間に沿った勤務が中心となるため、夜勤が少なく比較的生活リズムを保ちやすい職種です。
勤務時間は7.5〜8時間が基本で、残業も月10時間前後に抑えられているケースが多く、交代制によって無理のない働き方が整えられています。
休日についても、週休2日制・年間110〜120日程度を確保しているホテルが多く、土日祝の休みは取りにくいものの、平日休みを活用してプライベートを充実させることができます。
また、有給休暇は法律で保障された制度であり、取得率は企業ごとに差があるため、事前に確認しておくことが大切です。
さらに、社員寮や食事手当、社員割引、深夜手当など、ホテル業界ならではの福利厚生も魅力の一つ。
安定した経営基盤を持つ企業ほど、待遇やキャリア制度が整っている傾向があります。自分に合った働き方を実現するためにも、勤務条件や福利厚生をしっかり比較し、納得できるホテルを選びましょう。
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2025.12.14

