ホテルといえば接客をイメージする方が多いと思いますが、実はその舞台裏でホテルを支えているのが営業部門。
企業や団体に宿泊や宴会を提案したり、旅行代理店と協力して宿泊プランを作るなど、ホテルの稼働率や収益を左右する重要な役割を担います。
サービスの現場だけでなく、ビジネス感覚や交渉力を活かしてキャリアを築きたい方にとって、営業部門は大きなやりがいと成長のチャンスがある職種になるでしょう。
一方で、やりがいやお給料面・勤務形態などが気になるという方も多いと思います。
そこで今回は、前回の営業部門の仕事内容に続き給料や勤務形態ついてご紹介します。
これからホテル業界で働きたい・ホテル業界でキャリアを積みたいという方は是非参考にしてみて下さいね。
ホテルの営業部門のやりがい
直接お客様と接する事は少ない「営業部門」ですが、ホテルの魅力を作り出し、そのサービスを売り出したりアピールする仕事は、他のホテルの職種とは違った楽しさややりがいがあります!
※ホテルの営業部門の仕事
①マーケティング:宿泊プランやイベントの企画担当
②営業:客室・宴会場・料飲のセールス担当
③広報:自社ホテルの宣伝・販促活動担当
①クリエイティビティ・アイディアの発揮
営業部門はどの職種であっても、指示されて動くだけではなく、自ら企画・提案して進めていく仕事になります。
マーケティング部門は、0から1つのものを作り上げていく仕事であり、イベントやキャンペーンの企画・実行には、創造力・アイディアが欠かせません。
新しいアイデアやセンスで、そのホテルならではのプロモーションを考え出し、自ら実行に移していく過程は非常にやりがいがあります。
またその企画やサービスを世間に広めていくのが広報のお仕事。
無事成功させる事ができた時には、ホテルのブランド力やイメージ・売上アップに貢献できます。
営業職の仕事も、それぞれのお客様に合ったプランや企画を提案し契約・実行に移していく仕事です。
自社のホテルの将来を、より良い方向へ導いくやりがいや達成感は非常に大きなものでしょう。
②成果が数字で分かる
営業部門の仕事は、自分のした仕事が数字としてすぐ分かり成果を実感しやすい仕事でもあります。
マーケティングの企画・広報のPR・営業の契約は、ホテルの集客や売上に直結します。
ホテルの成功に直結している。という実感を持てる事は非常に大きなやりがいとなります。
新しい企画やキャンペーンへのチャレンジ・世の中へPR・契約を取る事などが仕事となりますので、都度達成感を感じられる事ができるのは、この仕事の大きな魅力でしょう。
成果が出れば大きな手応えややりがいを感じられます。
③様々なスキルを習得できる
ホテルの現場職はスペシャリストが多く、1つの業務を極めている方が多く働いています。
営業部門も専門職ではありますが、市場調査や分析・企画実行だけでなく、広告関連やWEB関連の仕事に携わる事も多くなります。
そのため、PCスキルやITスキルなど様々なスキルや知識を得る事ができます。
④チームで達成する喜びを感じられる
営業部門の仕事は、1人で完結するという事はなく、パートナー企業や社内スタッフとの関わりが非常に多い部署です。
外部企業や他の部署との連携も重要となりますので、チームで協力し合いながら、満足のいくサービスを提供でき無事成功した時には、喜びや充実感が得られるでしょう。
また、社内調整や指示出しなどプロデューサー的な仕事もしますので、リーダーシップやコミュニケーションスキルも向上します。
自身のスキルや能力の向上も大きなやりがいに繋がるでしょう。
⑤お客様に喜んでもらえる
自分が企画したイベントやフェア・自分がPRしたホテルの情報・自分が提案したサービスなどで多くのお客様に喜んでもらえるのも営業部門の醍醐味の1つです。
どの職種も、お客様の思いなどをしっかり汲み取り、各部門のプロフェッショナルたちと一緒に快適なホテルでの時間を提供していきます。
自分の企画や提案が形となり、多くのお客様に喜んでもらえた時には大きなやりがいを感じる事ができるでしょう。
⑥業界のトレンドや最先端が分かる
ホテル業界は常に変化しており、新しいトレンドやブランドが登場します。
特に、近年は外資系ホテルの開業も相次ぎ競争が激化していますので、様々な取り組みも求められてきています。
そのため、営業部門では常に最新の情報を収集しチェック・分析などが必須となります。
時代に合わせた最新のマーケティング手法や技術も必要になってくるため、勉強やスキルアップが欠かせなく、自身の成長も次の仕事への活力となるでしょう。
⑦国際的な視点を身につけられる
政府は、経済政策の1つに「観光立国」としての推進計画を積極的に進めており、様々なプロモーション活動を行っています。
その中の1つであり、特に近年ホテル業界の一般宴会で注目されているMICE(会議や展示会・イベントなど)という言葉。
インバンド数を増やす1つの大きな要素となりますので、国をあげて取り組んでいる分野でもあります。
大きな金額が動きホテルにとっては非常に大きな売り上げとなるため、積極的に世界の国や地域がMICEの誘致や開催に取り組んでいます。
グローバルなビジネススキルが身につくのもやりがいの1つです。
ホテルの営業部門のお給料
ホテルスタッフのお給料は、就業する会社・地域・職種・年齢・スキルによっても大きく異なります。
ここでは一般的なお給料の平均額に関してお伝えしていきます。
ホテルマンの平均年収
ホテルのグレードや地域、学歴によって多少の差はありますが、一般的なホテルマンの平均年収額は、300万円〜360万程度です。
部門長である支配人・副支配人・マネージャーなどの管理職の平均年収額は、400〜600万円が相場とされており、営業部門のスタッフもこの金額に近くなると思います。
また、高級ホテルや外資系ホテル、また総支配人クラスになると年収が1,000万円を超える人もいます。
どの業界にも言える事ですが、役職が上がり管理職につくと責任も大きくなりますので、役職手当がつきその分お給与もアップしていきます。
管理職に就くためには、様々な部署で経験を積みスキルアップしていく事が必要となります。
※賞与は企業によって異なりますが、宿泊業界の平均月収25万9千円×12ヶ月分で計算すると想定平均年収は、約310万円となります。
この金額に賞与を足した金額になります。
(※厚生労働省令和5年賃金構造基本統計調査)
☑️参考【日本の平均年収】
・全体:461万円
・男性:567万円
・女性:280万円
(※国税庁 令和6年分民間給与実態統計調査)
営業部門の勤務形態
ホテルは24時間365日稼働しています。
そのため、部署によっては夜勤があるなど勤務時間が不規則になりやすく、「大変」「離職率の高い業界」というイメージを持っている方も多いかもしれません。
しかし、営業部門は一般的な企業と同じような勤務形態となる事が殆どです。
勤務時間
営業部門の1日の勤務時間は7.5~8時間が基本となっています。
現場職の勤務形態は、日勤・夜勤の2交代制か3交代制になっている事が殆どですが、営業部門は大体9時〜18時などの勤務時間となるでしょう。
ただし、営業職になりますので、お客様の都合に合わせてスケジュールを組む事もあり、自己管理で動く事が多くなるため、残業となる事もあるでしょう。
休日
休日は、月8~9日になります。
現場職のスタッフは、土日祝・連休が忙しくなるので平日休みのシフト制になりますが、営業部門は、お客様への営業や打ち合わせが平日に行われるため基本土日祝休みとなります。
ただし、担当のイベントに立ち会う事になったり、お客様の都合によっては平日になるケースもあります。
また、夏休みや年末年始・産休育休や年次有給休暇・慶弔休暇もきちんと取れる事が多いです。
まとめ
今回は、ホテルの【営業部門】のやりがいや給料・勤務形態に関してご紹介しました。
ホテルの営業部門は、直接ホテルの売り上げに関わる重要な部署です。
その分責任も大きく売上へのプレッシャーもありますが、自分の力でホテルの売上やイメージをより良い方向へ導く事ができた時には大きな達成感ややりがいを感じる事ができるでしょう。
直接お客様と関わる事は少ないですが、営業部門で働く際にも、何より大切なのがホテルマンとしてのホスピタリティ。
お客様へのおもてなしの心が1番大切になります。
お客様のニーズや気持ちを察し、「どうすれば喜んでもらえるか」「より満足のいくサービスを提供できるか」という視点で仕事を進めていく事が重要になります。
ホテルの営業部門で働くには、まずは現場でしっかりと経験を積む事が大切です。
2025.09.08