
日本の宿泊業界は、多様な施設で成り立っており、働く環境も大きく異なります。
国際的な接客スキルなどが求められるホテルもあれば、日本の伝統的なおもてなしを求められる「旅館」、気軽に宿泊できる民宿などもあります。
今回は、日本に宿泊施設の種類と特徴・数などについて紹介します。
宿泊業界で働きたいと考えている方は、参考にしてみて下さいね。
・各宿泊施設の詳細は→こちら
日本の宿泊施設の種類4つ
現在の日本の宿泊施設は主に下記の4つに分類されます。(旅館業法では、旅館業の種別はホテルと旅館は一緒になります。)
①ホテル
ホテルに行くと洋風な外観で、ユニットバスやベットなど洋室が中心となっている事が殆どですよね。
ホテルは、外国から取り入れられた大型の宿泊施設です。
近年では、日本企業が進出・経営している事も多く、和室がついているホテルなども増えています。
フロント・客室・レストランなど各部門それぞれにサービススタッフがおり、お客様からの要望があった場合にサービスの提供をしますので、係員が自ら室内に入る事などはありません。
防犯設備が充実しており、オートロックや防音の壁など、お客様の安全を第一に考えたサービスやプライバシーの重視などが特徴です。
フロント・ドア・ベル・コンシェルジュなど様々な専門スタッフが働いており、客室までの案内や荷物の運搬、お客様のリクエスト対応・客室の清掃など業務によって細かく役割が分担されています。
②旅館
日本独自の宿泊施設。
温泉地やリゾート地には、日本独自の「和」のスタイルを貴重とした伝統的な日本旅館が残っており、それ自体を楽しむ観光客もいます。
温泉や大浴場などのお風呂が充実している事が特徴の1つでもあります。
宿泊する部屋に仲居さんと呼ばれる客室係がつき、部屋までのご案内・お茶出し・夕食の準備・寝具の準備・清掃などを行なってくれます。
旅館では、日本の文化であるおもてなしの心を第一に考えたサービスが充実しています。
③簡易宿所
自宅の一部を利用する家庭的な宿泊施設である民宿や、宿泊する場所を多数人で使用するスキー小屋や山小屋などがあります。
観光地に多くなっています。
・民宿
・ペンション
・山小屋
・合宿施設
・スキー小屋 など
④下宿
下宿営業は、1ヶ月以上の期間を単位とする宿泊料を受けて宿泊させる営業です。
宿泊施設の推移
訪日外国人の増加や、外資系ホテルの開業が相次いでいることなどから宿泊施設の動向も変わりつつあります。
ここでは、各業態の推移をご紹介します。
令和元年 | 令和2年 | 令和3年 | 令和4年 | |
旅館・ホテル営業 | 51004 | 50703 | 50523 | 50321 |
簡易宿所営業 | 37308 | 37847 | 38593 | 39811 |
下宿営業 | 671 | 609 | 599 | 573 |
(参考:厚生労働省 衛生行政報告例)
◎令和4年の日本の宿泊施設の合計数は、90,705施設となっており、前年度に比べ990施設増加しています。
「旅館・ホテル営業」は 50,321 施設で、前年度に比べ202施設減少。
一方で「簡易宿所営業」は、前年度に比べ1018施設増加しています。
ホテルと旅館どちらが多い?
日本の宿泊施設の種類を4つご紹介しましたが、その中でも代表であるホテル・旅館の数をご紹介していきます。
現在は、平成29年12月15日に公布された旅館業法の法改正により、「旅館営業」「ホテル営業」の営業種別が統合し「旅館・ホテル営業」となったため、各宿泊施設での数字がありません。
旅館業法の改正が施行される前の2017年は、「ホテル営業」と「旅館営業」が分かれていたため、2018年10月発表の「衛生行政報告書」による、日本のホテルの数と旅館の数をお伝えしていきます。
おおよそですが、ホテルは1万軒強・旅館は4万軒弱となっており、ホテル営業数は年々増加しているものの、旅館営業数は年々減少しています。
日本のホテルの数
2017年の「ホテル営業数」は1万402軒。
前年度より301軒増となっています。
客室数は、90万7,500室。
前年度より3万7,690 室増となりました。
10年前の2007年度と比較すると、ホテル軒数は960軒増で10.2%増となっています。
日本の旅館の数
2017年の「旅館営業数」は3万8千622軒。
前年度より867軒減となっています。
客室数は、68万8,342室。
前年度より3,620室減となっていました。
10年前の2007年度と比較すると、旅館軒数は1万3,673軒減で26.1%減となっています。
★ホテルと旅館の違いについては→こちら
まとめ
現在の日本の宿泊施設に関してお伝えしました。
過去の数字を見ても、ホテル営業や簡易宿所営業が増加傾向にあるのに対し、旅館営業は減少し続けています。
今後も訪日外国人が増えてくる事や、日本人のライフスタイルの変化、旅館経営の近代化が遅れている事などから様々な宿泊施設が増えていく可能性があります。
これからホテル業界で働きたいと考えている方は業界研究の1つとして是非参考にして下さいね。
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2025.02.10