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ホテル業界への転職を考えているけれど、「離職率が気になる」という方も多いのではないでしょうか。

華やかな印象もあり憧れる方も多い業界ですが、転職したものの「環境が合わなかった」「思っていた勤務形態と違った」というケースもなくはありません。

そこで今回は、ホテル業界の離職率の高さの原因と離職理由を上回るやりがいをご紹介していきます。

 

 

 

 

ホテル業界の離職率は25%以上

 

ホテル業界では人手不足・人材確保が大きな課題となっています。

厚生労働省が発表した令和5年雇用動向調査結果の概況のデータによると、宿泊業・飲食サービス業の離職率は約26.9%となっており、他のサービス業と比較すると1番高くなっていました。

※ただし、入職率も1番高く26.3%となっています。

 

◆サービス業界の離職率◆
・他に分類されないサービス業  :19.3%
・生活関連サービス業・娯楽業  :18.4%
・教育・学習支援        :15.6%
・医療・福祉          :14.2%
・運輸業・郵便業        :13.3%
・卸売業・小売業        :13.1%
・学術研究、専門・技術サービス業:10.3%
・電気・ガス・熱供給・水道業  :10%
・建設業            :9.5%
・製造業            :9.4%
・情報通信業          :9.2%
・複合サービス業        :7.8%
・金融業・保険業        :7.7%

 

  もちろん全てのホテルで離職率が高いわけではありませんが、他の業界と比べると全体的に高い傾向にあると言えるでしょう。

 

 

ホテル業界の離職率が高い理由


ここでは、ホテル業界の離職率が高くなってしまう理由を解説していきます。

 

 

①人手不足による労働環境の悪化

 

まず人出不足による労働環境の悪化が考えられます。

2022年10月にコロナ禍の水際対策が緩和されて以降、多くの外国人が日本を訪れています。

また、インバウンド需要の見込みと、日本人の富裕層も増加傾向などの理由から、都内・地方では高級ホテルが続々と開業。

開業や売上を伸ばしている一方で、人材の確保が追いついていないという面もあります。

そのため、長時間労働となってしまったり、休日が取りにくいなどが挙げられます。

繁忙期には宿泊されるお客様の数も非常に多くなるため、働くスタッフは多忙なスケジュールとなります。

 

 

②勤務形態

 

1日の勤務時間は7.5~8時間が基本となっています。

しかしホテルは、365日・24時間営業しているため、主に宿泊部門では夜勤帯の勤務も出てきます。

夜勤があったり、繁忙期で時間内に仕事が終わず残業が増えると生活リズムも崩れやすく、体調に影響が出てくる事も。

 
 
 

③土日休みや連休が取りにくい

 

休日は、週休2日制・月8~9日が基本です。

ただし、宿泊されるお客様は土日祝に集中する事が多いため、平日のシフト制が多くなります。

また、GWや夏休み・お盆・年末年始など、世間が長期的な休みの時期は繁忙期になるので、連休を取るのは難しくなります。

 

国土交通省の宿泊旅行統計調査によると各ホテルの繁忙期と閑散期は以下のようになっています。

 

*繁忙期:8月〜12月

*閑散期:1月〜2月

 
 

④給料が安い

 

役職や職種よっても多少変わってきますが、厚生労働省の令和5年賃金構造基本統計調査によると宿泊・飲食サービス業と他の業界の平均月収は以下の通りとなっており、全産業(15産業)の中で最低水準となっています。
 
 
◆サービス業界の平均月収◆
・宿泊・飲食サービス業     :25万9千円
・他に分類されないサービス業  :28万6千円
・生活関連サービス業・娯楽業  :27万9千円
・教育・学習支援        :37万7千円
・医療・福祉          :29万8千円
・運輸業・郵便業        :29万4千円
・卸売業・小売業        :31万9千円
・学術研究、専門・技術サービス業:39万8千円
・電気・ガス・熱供給・水道業  :41万円
・建設業            :35万円
・製造業            :35万円
・情報通信業          :38万1千円
・複合サービス業        :30万2千円
・金融業・保険業        :39万3千円

 

ホテルのグレードや地域、学歴によって多少の差はありますが、一般的なホテルマンの平均年収額は、300万〜360万円程

日本の平均年収と比べると低くなりますが、 部門長である支配人・副支配人・マネージャーなどの管理職の平均年収額は、400〜600万円が相場とされています。

また、高級ホテルや外資系ホテル、また総支配人クラスになると年収が1,000万円を超える人もいます。

役職が上がり管理職につくと責任も大きくなりますので、その分お給与もアップしていきます。

管理職に就くためには、様々な部署で経験を積み、自身のスキルアップしていく事が必要となります。

もし給料を上げたいのであれば、資格を取ったり、スキルを積んだ後に給与が高いホテルへ転職する方法などもあります。

 

<日本の平均年収>
全体:458万円
男性:563万円
女性:314万円

(※国税庁 令和4年分民間給与実態統計調査より)

 

 

⑤体力が必要

 

職種にもよりますが、どの職種でも基本的には常に忙しい状態です。

お客様がいない時間というのが殆どないため、交代制になっているものの、中々休憩に入れない事もあります。

そして、どの職種も基本的には立ち仕事。

常に動き回っているという事も多いため、体力が必要となります。 

 

 

 ホテルの仕事はやりがいも多い! 

 

ホテル業界の離職率に関してお伝えしました。

また、365日24時間営業していますので、緊急のトラブルが発生する事もありますし、体力的な面でも楽な仕事ではありません。

しかし現在は多くのホテルで、福利厚生の充実やDX化による業務改善に取り組んでいます。

また、ホテルの仕事は人の喜びに立ち会えたり感動を与えられる仕事であるため、大変な事よりもやりがいが上回る方が多いようです。

ゲストファーストであるホテルで働くホテルマンは究極のサービス業と呼ばれており、下記のような多くのやりがいを感じる事ができます。


・お客様に喜んでもらえる
・ホスピタリティを身につける事ができる
・チームワークを実感
・社会への貢献(SDGsへの取り組み)
・成果が評価されキャリアアップできる
・キャリアの成長と多様性
・お客様と長く関われる
・語学力が活かせる
 

次のコラム(←リンク)では、離職理由を上回るやりがいをご紹介していきますので、是非そちらもご参照下さい。

2025.12.05