
ホテル業界への転職活動をする際に、必要となる業界研究。
業界の事をきちんと理解しておく事で、やりたい仕事や働き方が明確になり、就職した後のミスマッチングも起きにくくなります。
業界の特徴や現状の課題・仕事内容などを理解をしておくと、面接で重要な志望動機などを上手く伝えられるようになります。
そこで今回は、ホテル業界の特徴や現状についてお伝えしていきます。
これからホテル業界で働きたいという方は参考にしてみて下さい!
※職種・給料などについては次のコラムでご紹介します。
ホテル業界とは
ホテル業界とは、利用者に宿泊施設を提供をする事で収益を上げるサービス業になります。
単に部屋を貸し出す宿泊だけではなく、ホテル内の料飲店・宴会場(結婚式場)などの運営も事業の1つとなっており、多くのホスピタリティを提供をしています。
サービス業界の最高峰とも言われているホテルのお仕事。
どのホテルのどの職種も目的は、「お客様の滞在を快適にするために努め、より良いサービスとホスピタリティを提供する」事。
ホテルで働くスタッフに最も求められるのは「ホスピタリティ精神」です。
ホテルビジネスとは
日本では、ホテル業界はサービス業として分類されますが、海外ではホテルビジネスを不動産投資や金融商品など高収益な収益物件として分類される事が多くなっています。
その特徴をお伝えしていきます。
①サービス業
ホテルは、土地・建物(ホテル)という不動産に、宿泊・料飲・宴会場・ブライダル・レクリエーション施設など幅広いサービスを提供し、様々な付加価値をつけ、利益・価値を生み出しています。
前述したようにサービス業界の最高峰とも言われているホテル。
サービスを提供する多くの人的要素が必要で、優秀な人材確保が必要となります。
②装置産業
装置産業とは「一定以上の生産やサービスの提供のために大型の装置を要する産業」の事。
ホテルビジネスは、「装置」=ホテルという施設を用意し、サービスを提供しお客様を呼び込む事でビジネスが成り立ちます。
大規模な投資を行い施設を建設し長期間にわたり資本を回収する事から、サービス産業の中でも装置産業的な要素が強いと言われており、不動産業と言われる事もあります。
また、建設時にはもちろんの事、ホテルという商品の魅力を維持・向上させるためには、必要に応じて都度改修をしなければならず、膨大な経費と長い時間を要します。
売上と利益を回収するには、長い期間がかかるビジネスでもあります。
③「体験価値」を提供する産業
ホテルには毎日多くのお客様がいらっしゃいます。
その目的は、宿泊はもちろんの事、日々の疲れを癒しに来たり記念日やイベント・美味しい料理・結婚式など様々。
いつもとは少し違う非日常的な空間で特別な時間を過ごす事が多いですよね。
宿泊や食事・パーティなどのサービス(商品)は、目に見える物理的なものではなく、時間や体験といった目に見えないものです。
形に残らない・目に見えない商品に対して高いお金を払ってもらうため、ホテルで働く人々には高いスキルが求められるのです。
★ホテル業はサービス業でもありますが、「+不動産業」と捉えられる事も多くあります。
ホテル業界の特徴
続いてホテル業界の特徴をご紹介します。
①おもてなしの文化
ホテルマンは、ご紹介したようにサービス業界の「最高峰」と言われおり、ホテル業界はおもてなしの文化をとても大切にしています。
お客様が快適に過ごし、素晴らしい体験ができるようにサービスを提供する事が重要となるため、「ここまでがサービスの範囲」という事が基本ありません。
お客様が要望する事には、出来る限り応え1人1人に合わせたサービスで感動を提供するのが一流のホテルであり、様々な部門のスタッフが協力してチームとなりより多くのサービスを提供しているのです。
食事や宿泊などホテルを利用する目的は人それぞれですが、ホテルでの素晴らしいサービスや体験は一生の思い出となりますよね。
②繁忙期・閑散期がある
ホテルの種類によっても変わってきますが、各ホテルの繁忙期と閑散期は以下のようになっています。
【繁忙期】8月〜12月
【閑散期】1月・2月
ホテル業界の繁忙期は、どの業態でも10月頃〜年末。
この時期が1番忙しくなります。
リゾートホテルやシティホテルは夏休みの影響もあり8月〜9月も稼働率が上がります。
一方で、1月〜2月は、年末年始や長期休暇明けの影響で稼働率が低くなり閑散期となります。
③人にしかできない仕事
世の中には色々な仕事がありますが、現在はIT化が進み、インターネットや機械・自動サービスで全て解決できるようになっていています。
もちろんホテルでもそのような取り組みが行われ、業務の効率化が図られています。
しかし、基本的にホテルの仕事は人対人に仕事であり、それぞれのお客様の個性や要望・気持ちを的確に受け取りながらサービスを提供していくホスピタリティがもとめられます。
おもてなしやサービスを求めて来館されるお客様も多くいます。
どんなに世の中のIT化が進んでも「人にしかできない仕事」なのです。
④チームで1つのものを作り上げていく
ホテルでは、同じ部署のスタッフは勿論の事、様々な部署の多くのプロフェッショナルが携わり、お互いに協力し合ってより多くの価値を提供しています。
同じ部署のチームメンバーや他部署のメンバーとお互いに助け合い協力する事で、自己成長やチームワークを実感する事ができます。
お客様を満足させるために、宿泊部門・料飲部門・宴会/婚礼部門・営業部門・管理部門など各分野のプロフェッショナルが集結し多くのスタッフが携わります。
⑤様々な人と出会える
ホテルには日々、様々な年代や職業のお客様が訪れます。
また、国際的な客層を抱えているホテルも多いため、日本国内のお客様だけでなく各国から様々なお客様が来られ異文化間の交流も盛んです。
そのため、多様な言語や文化に触れる機会があり、語学力があれば大いに役立つ事ができますし、仕事をする上でやりがいに繋がるでしょう。
⑥キャリアの成長と多様性
ホテル業界には様々な職種があるため、自分の興味や能力に応じてキャリアを選択できます。
キャリアパスが明確であり様々な職種にチャレンジする事ができます。
特に外資系のホテルでは実力主義の企業が多いため、年齢や性別に関係なく、成果を出せば管理職を目指せる環境があります。
会社の評価やキャリアアップがホテルマンとして大きなやりがいに繋がるでしょう。
その他にも、業界内でキャリアチェンジができたり、スキルアップする事でグローバルな活躍ができたりとキャリアパスが豊富です。
また様々な職種のプロフェッショナルと出会える為、勉強になる事が沢山あるのも魅力の1つです。
★ホテル業界の仕事は、目に見えないサービスを高額で提供するためお客様の期待度も高くなります。
高度な接客スキルや責任も大きくなるため、プレッシャーや緊張感のある仕事になります。
また、土日祝日や連休が忙しくなるため、休日が平日となってしまう事や繁忙期は特に勤務時間が長くなったり残業が増えるなどの大変さもあります。
職種によっては夜勤帯の勤務がある事も。
しかし、大変な分チームで協力しより良い滞在時間を提供する事で、お客様に満足してもらえたり喜んでもらえるなど、大きなやりがい・達成感、そして自分の成長を感じる事ができる仕事です。
現在の宿泊業界の市場規模(動向)
総務省が公表したサービス産業動向調査では、2024年2月分の宿泊業(飲食業含む)の売上高は、前年同月比11.1%増の2.4兆円となっていました。
サービス産業全体は、同5.3%増の32.3兆円。
<サービス産業の売上高一覧>
①情報通信業 :5.2兆円
②運輸業・郵便業 :5兆円
③医療・福祉 :5兆円
④不動産業・物品賃貸業 :4.4兆円
⑤サービス業 :3.7兆円
⑥生活関連サービス業 :3.6兆円
⑦学術研究・専門・技術業:2.7兆円
⑧宿泊・サービス業 :2.4兆円
⑨教育・学習支援業 :0.3兆円
※売上が高い順
(※参照:総務省 サービス産業動向調査)
ホテルは年々増加傾向にあるといわれます。
日本政府は、経済政策の1つに「観光立国」としての推進計画を進めており、2030年までの観光訪日外国人観光客数の目標を6千万人としています。
インバウンド需要の見込み・日本人の富裕層も増加傾向などから、外資系ホテルを含め日本全国でも続々とホテルが開業しており、宿泊業界の市場規模も今後上昇していくと予想されます。
まとめ
ホテル業界の概要や現在のホテル業界の課題・今後などについてご紹介させて頂きました。
ホテルで働く人々には、「お客様に快適に過ごしてもらう」という重要な役割があります。
失敗が許されない責任も伴う仕事でもありますが、自分の持っているスキルやホスピタリティで多くの人を笑顔にできるやりがいある仕事です。
■レベルの高いおもてなしやホスピタリティでお客様に喜んでもらいたい・感動を与えたい
■ホテルの現場職でスペシャリストを目指したい・ゆくゆくは経営側の仕事がしたい
などホテル業界へ転職したい・ホテルの仕事を探したいという方は、是非お気軽にご相談下さいませ。
2025.07.23